ハジメのエピローグ

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 (★)

 今度はスルリと簡単に髪ゴムが抜けた。

 肩スレスレまで下ろされた、絹みたいにしっとりしたホノカの髪を梳きながら、うなじに指を入れて頭を固定させた。

 ホノカの目線の高さに合わせると、ホノカは一瞬目を逸らしたが、すぐに恥ずかしそうに俺と視線を絡めた。

 ホノカが目を閉じる、俺、この時のホノカに、唇を控えめにねだるホノカにいつも萌えてしまう。

「ホノー………好き…」

 言いながらホノカの唇をゆっくり啄む、ちゅ、ちゅ、ホノカの唇が濡れていく。

「…ッン…」

 ホノカが喉の奥を鳴らす、これも俺のスイッチを簡単に押す。

 顎を掬うと自然にホノカの唇にわずかな隙間が出来る、俺はそこを舌でこじ開けた。

 深い深いキス。熱い舌を絡めてホノカを感じる。

 リップ音も、俺達の荒い息遣いも、さざ波の音に掻き消された。

 糸を引いて唇を離すと、ホノカが熱っぽい目で俺を見つめた。

 多分俺も…おんなじ顔してる。

 唇は離れたけど、俺とホノカは至近距離、ピッタリと前面がくっついて、脚の辺りもなんか絡んで、ホノカの柔らかさを全て受けていた。



 抱きたい抱きたい抱きたい。



 宿に帰ってっていうのすらもどかしい、



「ホノ、こっち来て…」



 抜け目なく見つけていた場所へホノカを導く。

 防波堤とテトラポッドの繋ぎ目を降りていくと、わずかな砂地があって、そこは波も、人の目も、月明かりも届かない。

 ホノカの背中をそっと防波堤の壁に押し付けて、また唇を啄んだ。

 啄みながら…

 ホノカのパーカーのジッパーをジジジと下ろした。

 肩の辺りを下へ引っ張って、パーカーがパサリと砂へ落ちた。

 ホノカは細いストラップの花柄の白いワンピースを着ていて、いつもはパンツスタイルなのに、昼間のビキニ姿といいドキドキさせられる。

「ホノ…かわいい」

 ストラップを肩から滑り下ろす、ホノカの胸の谷間が見えて、俺の理性は吹っ飛んだ。



 …気付いたら、ホノカの胸が全てこぼれるまでに、ワンピースの襟ぐりを下へずらしていた。





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