ハジメのエピローグ
20/28ページ
ホノカが息を飲み、捏ね繰り回していた指の動きが止まった。
俺とホノカの間は人ひとり分空いて、その真ん中で俺達の指が繋がれている。
俺の気持ちの全てを言うまでは、ホノカの返事を貰うまでは、この距離を勝手に縮めてはいけないと思った。
「あのさ」
また、吸った息が緊張で苦しかった。
ホノカの指を取る手が微かに震えてもいる、ホノカは気付いてる?
俺の指をちょっとだけ握り返して、俺を真っ直ぐに見つめて、言葉を待っている。
「ずっと…思ってたんだよ。
ホノと結婚したいって。
なんかキモい事言っちゃうけど…
多分付き合い始めた時から漠然に思ってた」
「(笑)」
そんなことない、って小さく笑うホノカに救われる。
「決定打は…勇実とタツミくんの結婚式だったなぁ。
アイツら見てて、俺の横はホノだろって、強く思った。
ホノが大学を卒業したら…って、ずっと考えてた。
でもな…
ホノのお母さんに…言われちゃったんだよな。
帆乃夏はまだ渡せない、って」
…