ハジメのエピローグ

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 気を取り直して(?)、俺達は花火の続きをした。

 特大パックを買ったので、二人だとなかなか減らない。向こうの男子達にお裾分けでもしようかと思ったのに、彼らの姿はとっくに無かった。

「この打ち上げ花火とか、絶対喜んだよなぁ?」

「(笑) がんばって消費しましょ」

 ホノカと笑い合いながら、何本も同時に点けて火柱を大きくしたり、ホノカは恐いと言うので打ち上げ花火の火点けは俺がやって、実は俺もドキドキ(笑) 点けた瞬間ダッシュしてホノカにわざと飛びついた。

 「もうー!」と言いながらもホノカは俺に抱きつかれたままにしておいて、また屈託なく笑った。



 そして順調に花火は減っていって、シメにとっておいた線香花火も、ジリジリと火玉がすぐに落ちないように頑張ってたけど、とうとう使い切った。

「あーあ終わっちゃった。
 花火の後って、なんでこんなに寂しいんだろうな?」

 早く終われと願ったクセに全く反対の事を言う俺を、ホノカは花火の燃えカスを片付けながら聞いて笑った。

「ふっ。ほんとうに。
 …あっ、わあっ、ハジメさん、見て」

「おーっ。
 これに気付かないなんて俺達…どんだけ?」

「(笑)(笑)」

 花火の余韻がようやく消えて空を仰ぐ俺達を、満点の星たちが今にも降り注ぎそうだった。

 うっすらと天の川も見えて、天然のプラネタリウム。

 テトラポッドの陰になって水平線が見えないとホノカが言ったので、足元に気を付けながら俺達はテトラポッドの積まれた上を少し渡る。

 たったちょっと先なのに、潮騒以外の音が無くて俺とホノカ二人きりで閉じ込められた気がして、でも不思議と恐くはなかった。

 そして見えた水平線は、星空と黒い海を気持ちいいぐらいに分け隔てて、ずうっと向こうで構えていた。



 うん



 やっぱり今日だ



 ホノカを振り返ると、ちょうど俺に手を伸ばしているところだった。

 俺はその手を、ちょうど左手を、指だけを下から支えるように取った。

「ホノぉ」

「ハイ?」

 俺の呼び掛けに、バランスを崩した体勢を整えながらホノカは返事をして、真っ直ぐに俺を見た。





「今日…何の日だ?」





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