ハジメのエピローグ

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 後日その時の事を覚えているかホノカに聞いたら、ちゃんと覚えてると言った。

「ホノは…その、妬かない?」

 俺がしどろもどろにそう言うと、ホノカはクックッと笑った。

「妬かない。ハジメさんとイッサちゃんは切り離したらダメ。もう、家族感覚なんでしょう?」

 ホノカが適切な表現をしてくれた。そうなんだよな、もう恋人同士じゃないしそんな気持ちは1ミリもない、けど、勇実はずっと特別だ。ホノカ以外で、って意味ではそうなんだ。

 そういえばタツミくんにも、おんなじような事を言われたっけ。

 イッサとハジメさんは切り離したらダメ…

「ホノ、強ぇなぁ」

 ホノカもタツミくんも、俺には甘いよな。

 俺なんて、例えば、ホノカとタツミくんが二人で飲みに行くなんてことになったら(それは絶対ありえないんだが)、絶対気が狂うと思うんだけど。前もって言われても、絶対気が狂うと思うんだけど。

 寛容になれない自分が恥ずかしい、俺、一番年上なのにな(苦笑)





 少し話がズレてしまったが…そんな事があったもんで、俺もホノカもなんだかスッキリして、特に俺の中でまた勇実が、浄化したような感じ。

 で、俺自身はそんなつもりないのに未だに、ちょっとでも勇実が頭を掠めると違う顔をするらしかった。

 それをホノカは今言っているのだ。

「こないだ、勇実に揉んでもらったんだけどさ、そん時にさ」

「ハイ」

「おじいちゃんみたいな事ばっか言ってると…ホノにあきられるってさ」

「(笑)(笑)」

 ホノカはよく笑う、たいした話じゃないって思う事にも笑う、そんな所も好き、なんつって。



 …で、俺の過去の話だけで決着したはずが、まさかこの日にまた展開するとは。

「楽しそーだなぁ。俺もあんな頃あったな(笑)」

 テトラポッド付近に着いて、遠目に先程の男子達の青春模様を見てポツリと呟いた俺に、

「ほんとに。懐かしいなぁ…」

 ホノカがそう答えた。



 俺の中がざわついた…この時ほど、自分の勘の良さを呪った事はない。





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