ハジメのエピローグ
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「ホーノーさん」
手始めにほっぺたをツンツンする。やわらか。
ホノカは微動だにしない。
顎を掬い上げて下唇を親指でなぞる。やわらか。
すると、ホノカはムニャムニャ言いながら、俺の指を甘噛みした。
やっばい。超イケナイ気分。胸の奥の奥で妙な痺れが拡がる。
「俺の指食べないで」
たまらなくなって、キスをしようとホノカに身を寄せる。
…いけね、エアーマットの上だってこと忘れてた!
バッシャン。
「わあ!? ハジメさん、何やってるんですか」
大きな水音にびっくりして飛び上がったホノカ、俺がぷはぁっと水中から顔を出すと、笑いを噛み殺してくっくっと肩を揺らした。
「ふっ…寝ながら落ちちゃったの? ふふ…っ、ハジメさん、ちょっと寝相悪いから」
「こんにゃろ、ホノのせいだっつーの!」
「わっ、ちょっ、きゃあ!」
ホノカにからかわれてまた悪戯心に火が点いて、俺はホノカの乗っているエアーマットを横から裏っ返した。
バッシャン。
ホノカが落ちたのを、俺はすぐに肘を持って引き上げる。
「ハジメさんっ、ヒドイ」
「ホノが笑うから。
それに先に寝てたのはそっち」
前髪が額に張りついて水浸しのホノカが色っぽ過ぎて、ちょっとブレーキが効かない。
何か言おうとしたホノカを無視して、その唇をやわらかく塞いだ。
…