encourager
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──それから。
クリスマスが終わって迎えた月曜日は、タツミくんのラジオ放送が年内最後だった。
私はその生放送に呼ばれ…
…ちょっとした出来事が、あって…
今、先にタツミくんの部屋に帰って、タツミくんのベッドの上でひとり、仰向けに転がっていた。
そうだ、さっきのノリちゃんのメッセージに返事をしなくちゃ。
ノリちゃんとシンジさんは…遠距離で続けていく事を決めた。
どうせ駄目になると諦めるより、少しでもお互いへの気持ちがあるなら、それを大事にしたいと…
【イサミちゃん。タツミさん。本当にありがとう】
よかったね。ノリちゃん。本当によかった。
大丈夫だよ。私とタツミくんは平気だったから。
迷いなくそう打って送信して、スマホを頭の上にそっと置いた。
「………」
私は深く、深く息を吐いて、ラジオでの出来事を思い返した…
【──それではお聴き下さい。○○の◇◇。】
(タツミ、マイクのスイッチを切る。
少し前からイサミが入ってきているが、
まだ喋っていない。)
【…イッサ? 立ってないで、座りなよ】
【ウン? ほら、ノイズ入ったらマズイじゃん(笑)】
(イサミ、笑いながらタツミの向かいに座る。
タツミ、イサミの行動を目で追いながら、
短く息を吐く。)
【イッサぁ】
【ウン?】
【あのさぁ】
【(笑) ウン、ナニ?】
【今日、何の日だか、分かる?】
【…? 何の日だっけ??】
(分からないでいるイサミ。
含み笑いをするタツミ。)
【クリスマスの時に言ってしまおうか、迷ったんだけどね】
【…ウン】
【やっぱり…はじめから決めてた事だし、今日の方がいいと思って】
【? …ウン】
【今日さぁ…
イッサ、ほんとに覚えてない?(笑)
俺が…
好きって言った日】
【あ…っ】
【(笑)】
【そ…っかぁ、ウン、そうだねぇ…
…ゴメン、覚えてなかった(苦笑)】
【(笑) いいよ。
それで…ね。
……
言ってもいい?】
【……ナニを?】
【あのね
俺と
結婚して下さい】
…