encourager
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【あー。あれね。ふふふ。間違いなく僕です(笑)
○○駅って僕ん家の最寄りなんですけど、イッサと歩いててね、新しいカフェが出来てたんです。入ってみよーって入ったらね、すんごい感じ良くてね。
そこのマスターも奥さんもいい人で。見たところ僕と同じかちょっと上かな。
ラテアートやってくれてね。カエデの葉っぱ、2枚寄り添うみたいに描いてくれたんです。
許可とってないからお店の名前出せないけど、よかったら探してみて下さい──】
「あっタツミくん、あのカフェの話したんだ。よかったよねぇあそこ。
ねぇ聞いてよマスター、そこね、図書コーナーがあるの。日だまりにいるみたいに心地よくてねぇ、奥さんのアイデアだって言ってたなぁ」
うんうんと頷くタツミくんとは反対に、マスターはシュンとして、
「いいなぁ…夫婦でカフェ、僕の憧れだったんだよネェ…
ウチの奥さん、こういうの興味ないからさぁ…アナタひとりでご自由にどうぞ、だもんネ。
キミら、そういうシアワセオーラのお店に魅かれたんでしょ…
あああ~、いいなぁ~、僕もコッソリ行っちゃおうかな(笑)」
いじけてるのかと思いきや、最後の方は笑いながら言っていた。
「そうしなよー。奥さんも一緒にさ。
奥さん、興味ないわけじゃないと思うよ? 時々、ここに食べに来てるじゃん」
「アレ、イッサ奥さんに逢ったことあるの? いいなー、俺もお逢いしたい(笑)」
「逢ったっていうか、見ただけ。
仕事の帰りに通る時、【喫茶KOUJI】も閉店間際なんだけど、カウンターで二人並んでごはん食べてたんだよ。
にっひっひ。ラブラブだねぇ」
「ほぉ~それはそれは。ますます覗き見したいねぇ(笑)」
「ちょっ、キミら…もう、まいったなぁ。いつもは僕がキミらをいじる役なのに~」
「「(笑)(笑)」」
【──というわけで、次週はまた生放送で。
あ、もう今年最後の放送なんですね──】
タツミくんのラジオが終わっても、私達はずっとマスターとお喋りしていた。
最終的には「ほらもういい加減、出掛けておいで!」と追い出されちゃったけど(笑)
美味しいランチ、芳しいコーヒーの香り、マスターの人柄に長年掴まれている…
やっぱり私達にとってのイチバンは【喫茶KOUJI】。
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