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「へえぇ? クリスマスライブ? どこでやるの」

「ラジオ局の下のライブハウスですよ。
 普段はアマチュアの若い子とかに時間貸ししてるんですけどね、オダギリさんと話して、そろそろここで大きいイベントをやろうかって。
 先月にね、イベントに参加して貰えそうなアマチュアの子達に声掛けまくって…」

 同じ内容が、ラジオからも流れた。前もって録音したタツミくんのレギュラー放送がオンエア中だ。

【──僕も僭越ながら、主にMC、あと曲も演らせて頂く予定です。
 12月24日土曜日、ライブハウス○○○でクリスマスを盛り上げていきたいと思ってます。
 入場は無料、ご飲食は有料ですが中で召し上がれます。もしよかったら、遊びに来て下さいね。
 あ、でも、みんなどっか出掛けちゃうよねぇ(笑)──】

 なんて言っていた(笑)

「了解。1枚目立つとこに貼って、残りはレジの横に置こうかな」

「すんません。お願いします」

 ちょうどお会計のお客さんがいたので、マスターはチラシの束を持ってそっちへ行った。

「駅の掲示板にも貼らせて貰ったし…
 【きたいわ屋】にも置かせて貰ったし…
 イッサの所もオーケー出たんだよね?」

「うん。潤子サン、ルンルンで受付の所に置いてた」

「ルンルンって(笑)」

「潤子サン、タツミくんのファンなんだよ、言ってなかったっけ? あの子の声は落ち着くわぁ、だって(笑)」

「あらそう(笑)」

 そんな事を話していると、マスターが慌てた様子でレジから飛んできた。

「ちょっとー! 今流れてるの、どういう事? ここがお気に入りのサ店じゃないの?」

「エ」

「へ?」

 マスターの言葉に私とタツミくんは顔を見合わせて、ラジオに耳を傾けた。

 話題はすっかり変わって、【ゴトウスクープ!】とかいう新しいコーナーが始まっていた。

 ひょんな所でタツミくんを見かけたリスナーからの情報をお待ちしてます、というので、

【○○駅の近くにあるおしゃれなカフェで、タツミさんとイッサ先生が仲良くお茶してる所を見ました!】

 という投稿が読まれていた。





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