深夜のオフレコ

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樹深
「むかし、むかーし…
 って言っても…3年くらい前か(笑)」

北川
「わりかし最近っすね(笑)」

樹深
「とある通りで、歌声を響かせるギターマンがいました」

北川
「アレ? それって…」

樹深
「匿名ね(笑)
 彼は…とある…元気いっぱいの女の子に出逢いました。
 彼は…彼女が面白すぎて(笑) 目が離せなくなりました。
 見ていく内に…彼女にカレシが出来ました。
 彼は…二人の恋の応援をしました。
 彼は…二人とも大好きだったから」

北川
「………」

樹深
「二人は本当に仲が良かった。
 見ている彼も幸せな気持ちになれた。
 …彼女への気持ちを知らんふりしていた。
 友達としてのダイスキを大きくしてるだけと言い聞かせて…

 しばらくして…彼女とカレシは別れました」

北川
「えっなんで」

樹深
「別れざるを得ない事があったから…
 まだ、お互いを好きだったのに。
 お互いを傷つけないために、別れを選びました…

 彼に…チャンスが巡ってきました。
 彼は…ゆっくり、ゆっくり…
 押し込めていた気持ちを出していきました…

 同時に…彼女の周りが目まぐるしく変化して…
 結果的に彼が彼女に寄り添える形になれたから…
 彼は、彼女の気持ちを手に入れる事が出来ました。

 結婚して、今、とても幸せです」

北川
「おぉー…
 って、それってタ…」

樹深
「匿名ね(笑)
 …彼が幸せになれたのは…
 彼女とカレシの過去と絆があるから。
 あの二人は本当にすごい。
 重ねた過去を切り離しながら…
 いい関係をずっと続けているんだよ。
 今でも…彼の中では最高のカップル(笑)」

北川
「えぇー?
 じゃあ、タ…そのギターマンは、万一、イ…彼女がそのカレシに戻ったとしたら、容認しちゃうの? 引き下がるの?」

樹深
「匿名続行ありがとう(笑)
 そりゃまたずいぶん突飛だねぇ(笑)
 カッコつけさせて貰うと…それは絶対にあり得ないから。
 離さないし、離れていかない自信もあるよ。
 …おっと。彼には、そんな自信があります」

北川
「(笑) あぁー。タ…その彼、オレと同じようで…違うなぁ…」





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