深夜のオフレコ

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北川
「…あー、タツミさん?
 あのー…
 ………
 …あーっ、白状する決心がつかねぇ(泣)」

樹深
「無理して話すことないよ? すっごく気になるけど(笑)」

北川
「うわっ、タツミさんにそれ言われたら…言うしかないじゃないっすか」

樹深
「(笑) そんな大げさな」

北川
「あのですね…
 うあー…どっから話そう…
 オレね…今ちょっと…
 彼女とすれ違っちゃってて…」

樹深
「あらま。どーした?」

北川
「お互い就職活動でいっぱいいっぱいで…
 どっぷり話せなくて…イライラして…
 せっかく逢えても…ケンカばかりで…」

樹深
「ウン」

北川
「オレが先に内定決まって…向こうはまだで…
 ジャマになりたくなかったから、連絡してなくて…
 そんな折りにね、高校の同窓会の話が持ち上がって。
 連絡出来ずにモヤモヤするくらいなら、そっちに没頭しちまえって思って。
 幹事名乗り出て、色々頑張ったっす」

樹深
「ウンウン」

北川
「でね、今日同窓会だったわけなんだけど…
 まぁ、同窓会だからね? 無論、アイツもいるわけで。
 オレ、アイツに逢うのすげぇ久しぶりだったんすよ。就活でバイト辞めてたから」

樹深
「そうなんだね。
 そういえば、そっちのカノジョは進路決まってるの?」

北川
「あぁ、アイツも最近内定決まったって言ってました。やっと報告出来るって…喜んでて」

樹深
「ふぅん、そっか」

北川
「気が抜けたんすかね…結構な量飲んでてね…
 潰れちゃったんすよね、こう、テーブルに突っ伏して」

樹深
「あら」

北川
「先生帰って、二次会行くよーってなっても、全然起きなくて。
 幹事頼むぜーって、みんな出払っちゃって…
 …置いていけるわけないでしょ?」

樹深
「ウン…そうね」

北川
「アイツ…さぁ…
 あー…もー…
 無防備過ぎるんすよ…

 いつからあんなんになっちゃったの…?
 前は、さぁ…もっと…とんがってたクセに…

 ………

 ダメだろって思ったけど

 止まんなかった

 アイツのココに





 ──キスするのを」





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