深夜のオフレコ
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樹深
「ほー、ほーぅ」
北川
「ほらぁー、やっぱり、面白がってる」
樹深
「イヤ、イヤ。分かるよ。それ。
俺も、まぁ、色々ありましたから(笑)」
北川
「まじすか。そこ詳しく突っ込んでいいっすか(笑)」
樹深
「イヤイヤ。ダメでしょ(笑)
今はキタガワくんのオフレコタイム~」
北川
「くーっ、逆らえねぇ」
樹深
「えーそれでそれで?
気付いちゃって…どうしたの?」
北川
「どうも何も…
彼氏彼女になっちゃったんだから、どーしようもないっしょ。
どーしようもないんだけど…切なくて、苦しくて。
二人がいるとこ、あんまり見たくなくて…さりげなく避けたりして。
避けてる割りには…目撃したり、聞いちゃったりしてんですけど。
その度…あー、もー。
…ちっさいっすね、オレ?」
樹深
「(笑)(笑) そんなことないけど。
いいじゃない。彼らの事好きだから、それ以上は踏み込まないでしょ?」
北川
「………」
樹深
「…エ、ナニ? その沈黙は?」
北川
「ンーッ…
イヤ、まだ話すトコじゃない…
続けていいっすか?」
樹深
「エェ? 気になるなァ。
まぁいいや。続きをどーぞ(笑)」
北川
「あざっす(笑)
そんなモヤモヤを…仲間達は気付いていたのかなぁ?
しばらくして、ひとりの女の子を紹介されて」
樹深
「ウンウン」
北川
「同じ大学で、バイク通学してる子でね。
そんな女の子今までいなかったし、話してみたら、これまた通な子で。
見た目はほんわかなのに、サバサバハキハキしてて。話しててすっげぇ気持ちいいの。
一気に気持ち持っていかれて…
告ったら、向こうも同じ気持ちだったんで…
これで…アイツの事でモヤモヤする事なくなるなと」
樹深
「それが、始めに言ってた、1年以上付き合ってる今の彼女?」
北川
「はい」
樹深
「そっか。
忘れられないカノジョよりも、上になった?」
北川
「………」
樹深
「…えええー? そこ、黙っちゃう?」
北川
「(苦笑)」
…