深夜のオフレコ

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樹深
「ウン。いいよ」

北川
「あざっす。
 …どこから話そうかなぁ…
 えっとね。
 オレね、ずっと気付かなかったコトが…
 …イヤ、気付かないフリして…
 …そのままにしていたコトがあって」

タツミ
「ウン」

北川
「オレ、今付き合ってるコいるんすけど…
 ………
 あー…
 もー…
 …ほんっと、ヒミツにしといて貰えます?」

樹深
「(笑) 大丈夫だって」

北川
「もう1年以上付き合ってる大事なコがいるのに…
 ………
 忘れられないヤツがいて」

樹深
「ほほーぅ」

北川
「タツミさん、面白がってます?
 オレ、チョー真面目に話してんすけど」

樹深
「(笑) メチャクチャ、慎重に言葉選んで話してるもんねぇ」

北川
「もう…まぁ…いいや…
 んでですね…えーと…高校の時の友達でね。
 …えーと…」

樹深
「(笑) 匿名でいいよ?」

北川
「あ、まじすか。いやー、助かるっす。
 …ソイツね、カッコいいんす。女なのにね」

樹深
「ウン」

北川
「高3で一緒のクラスになって…始めは全然気付かなくてね、同じクラスだっていうの。
 思えば、アイツ、人見知りだし、目立たないようにしてたんだろうなぁ。
 知ったのは…1学期始まってすぐの、部活紹介の時で…アイツ剣道の部長で、オレ合唱部の副部長で」

樹深
「合唱?? へーっ、意外なとこからきたね(笑)」

北川
「あは、そーっすよねぇ。
 新入生の時に、ちょっとゴーインに誘われて、まぁ、そのままズルズルと活動を…
 まぁそれはおいといて。
 その時のアイツの演説というか、演目? がね。当たり前だけどカッコよくて。
 で、よくよく聞いたら同じクラスだったワケで。
 そこから話をするように…
 …なったと思ったすか?
 それがねー、ならなかったんすよねぇ(笑)

 まぁ…でも…
 そこが始まりだったんすよ

 アイツを目で追うようになったのは」





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