とある男達の、とある居酒屋での会話

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【今新年会終わって、これから帰るよ!
 タツミくんはまだハジメちゃんとお楽しみ中?】

 イサミの怪しさ満載のメッセージに吹き出す俺(笑)

 笑い悶えながら、返事を打つ。

【ちょうどおいとまするトコ。
 地下鉄の駅の改札で待ち合わせしよ。
 一緒に帰ろう】

 送信して、財布から自分が飲み食いしただいたいの金額プラスαを抜き取って、テーブルに置いた。

「ごちそうさまでした。
 いいお店教えて貰ってよかった。
 今度は彼女と一緒に来ていいですか?」

 コートとマフラーを身に付けながら奥さんに言うと、

「是非とも。
 元クンともたまには飲んであげてちょうだい。
 ああ見えて寂しがり屋だから(笑)」

 と笑いながら奥さんは答えた。

「ハイ(笑)
 じゃあ、本当にごちそうさまでした。お祝い嬉しかったです」

 また大将がのれんの間から顔を出していたので、目を合わせながらそう言うと、大将はまた照れた顔をして、でも今度は軽く手を挙げて、

「いつでもおいで」

 と言ってくれた。





 あぁ、早くイサミに言いたいな。

 ハジメさんが話してくれたアレやコレや。

 また色々決めたら、改めて報告とお願いに行かなきゃね。



 地下通路を吹き抜ける冷たい風に震えたけど、気持ちはポカポカと温かいまま、イサミとの待ち合わせ場所まで急ぎ足で歩いた。










とある男達の、とある居酒屋での会話〈完〉





[リアルタイム執筆期間]
2015年10月2日~4日

[改稿終了日]
2021年6月22日






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