とある男達の、とある居酒屋での会話

7/8ページ

前へ 次へ


 テーブルに突っ伏して、まだウニャウニャ言ってるハジメさん。

「エ? なんです?」

 耳を寄せてハジメさんの言葉を拾おうとする。

「タツミくんさぁ…結婚式、いつすんの」

「エ? いや、まだそこまで固めてないですけど」

「アレにしとけ、アレ。キミらの誕生日。覚えやすい」

「えーっ。まぁ、でも、考えときます(笑)」

「そんでさぁ、受付とかさぁ、やるからさぁ、頼れよなぁ」

「(笑)。じゃあ、挨拶とかも引き受けてくれます?」

「いーよぉ。
 あーでも、俺、何言い出すか分かんねぇしー。
 泣くかもしんねぇしー。
 あーやべぇ。色々と…込み上げるものが…」

「(笑)(笑)」

「まぁ…アレだ…とにかく…

 …おめでと…幸せに…なんなよ…」

「ハイ。

 …あれ、ハジメさーん?」

 ほどなくして、ハジメさんからスースーと寝息が聞こえてきた。

「あらあら、やっぱり潰れたね。滅多に酔わないのにね。
 後藤さん、こうなったらしばらく起きないから、先にお帰りなさいね。
 支払いはこの子から頂くから(笑)」

 奥さんがブランケットを持ってきて、ハジメさんの肩に掛けながらそう言った。

 その時俺のスマホがブルッと震えて、画面を見るとイサミからのメッセージが入ってきていた。





7/8ページ
スキ