とある男達の、とある居酒屋での会話
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「ハジメさん、酔っぱらってます?」
「ませーん」
「あらら、元クン酔っぱらってるね、珍しい」
追加の料理を運んできた奥さんが、空いたお皿をついでに片付けながら、ハジメさんに視線を送って言った。
「やっぱりそうなんですね。何で分かるんですか?」
「ふふふ、ちょっと黒目が潤んでるでしょ。あれが合図(笑)」
「へぇー(笑)」
俺と奥さんがコソコソと話すのを見て、ハジメさんは膨れっ面をした。
ナニ、ちょっと、かわいいんですけど(笑)
「叔母さんあっち行って。今、男同士の話してんのー」
「はいはい(笑)」
ハジメさんに手で追い払われて、奥さんはカウンターの方へ戻っていった。
「あー。あのですね。さっきの質問の答えですけど」
「ウン」
「無いです」
「ウソつけ!」
「ホントですって。
確かにね、嫉妬した部分もあったけど。
なんていうか…イッサとハジメさんは…
切り離したらダメっていうか。
わかるかなぁ、この微妙な感じ」
「ビミョーなんだ(笑)」
「じゃー俺、突っ込んだ事聞きますよ。
俺が向こうに行ってる間、
……
…ヨリを戻したいとか思わなかったんですか」
…