呼吸を重ねて

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 (★)

 再び、闇。

 雨音はもうシトシトと静かになって、怖さは微塵もなかった。

 ハジメさんに肩を軽く押されて、またソファーの背もたれに倒れた。

 ハジメさんも私の隣に倒れ込んで、横抱きの体勢でキスをする。

 脱がせかけのパーカーとブラ、七分丈のボトムも、強引に取っ払って、ソファーの下に落とした。

 密着する、私とハジメさんの前面。

 私の脚の間をハジメさんの片膝が割って入る。

 肌の熱がじんわりと伝わって、気が狂いそうになった。

「アッタカイ…

 ヤワラカイ…

 ホノカ…ァ」

 ズルイ。呼び捨て。

「ンッ…ハジメ…さん…」

 このまま、ハジメさんのぬくもりに包まれて夜を明かすんだ…

 …なんて考えていた私は、甘くて、コドモ、この先の事を何にも知らない…

「ホノカ…


 …イイ…?」

 顎を掬われて、艶のある眼差しを向けられる。

 ナニガ?

 と問うことをしないで、コクリと頷いた。

 すると、もう弱い所だって明確になった、私の耳を甘噛みしながら…

 指が顎から胸の谷間を通って、おへその窪みも過ぎて…

 下着の中の

 毛に触れた

「っ!!!」

 ハジメさん

 だめ

 きたない

 そう思う…のに…

 ハジメさんを見つめる事しか出来ない…

 ハジメさんの息づかいと共に

 指が茂みを掻き分けて

 割れ目の端に到達

 トントンと…刺激され…

「───」

 そこの内側が跳ね上がったと思ったら

 何か

 じんわりと

 出てきて

 心臓がドクンと強く波打った

 指が少しずつ

 動きを早める

 上下に擦り

 小さく弧を描く

 その度に

 くちゅくちゅ

 ぴちゃぴちゃ

 いやらしい音と

「声出して…聞かせて…」

 耳元で囁かれる低い声が

 私の脳を刺激する



「ァアンッ…」



 咄嗟に手で口を塞いだ



 こんな声が出る自分にびっくりした





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