呼吸を重ねて

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 (★)

「ンー…
 …どこから…話そうか…」

 言いながらハジメさんが片手で胸の尖端を弄り始めた。

「ャ…ッ、ちょっ…」

 今から大事な事を話してくれるはずが、どうしてこんな事に。

 ハジメさんの手を剥がしにかかるけれど、びくともしない。

「ハジメさ…んっ、真面目に話して…っ」

「ふっ…ゴメン…でも、このままで聞いてて…」

 そんなのムリ。でもしっかり閉じ込められて逃げ出せそうにない。ハジメさんにされるがままになるしかなかった。

「キタガワが…女の子を店に連れてきたいって言った時に…どんな子が来るんだろうなぁって…思って…
 アイツの友達だろ? なんとなーく想像して…
 実際来てみたら、あれ、こんな感じの友達もいるんだってビックリした。
 それがホノちゃん(笑)」

「う…ん…」

「ホノちゃんとキタガワ見てて…あぁいいコンビじゃんって思ってたの。
 それだけで…終わるはずが…
 …そう…キミがあんまり…美味そうに俺のラーメン食べるから…気になってきて…」

「ンッ…ハァ…ッ」

「はじめ、俺に対して壁を作ってたでしょ…(笑)
 それが…段々無くなるのを感じて…
 俺といるの、楽しいのかなって…自惚か?」

 首を横に振る。胸への刺激に堪えられない意味も込めて。

「ふ…よかった…
 そう思った辺りから…キミのやる事なす事がいちいち輝いて見えて…
 花火ではぐれた時は…もう好きだったんだ。
 離したくねぇ…って思った…
 手を繋いだのも、おんぶしたのも、全部…好きの気持ちから…



 …おしまい。
 はい、次、ホノちゃんの番(笑)」

 そう言って、やっとハジメさんの手の動きが止まった。

 話の途中で何度も喘ぎそうになった。必死で声を抑えて、でもハジメさんの話をしっかり聞いた。

 次、私の番って言った?

 呼吸が乱れて、上手に話せないかもしれない。

 私を取り巻く腕を外して貰いたいのに、ハジメさんにその気はないらしい…

「ハ…ハジメさん…
 も…そのままでいい…ですけど…
 手…動かさないで…
 …話せなくなる…」

 涙声で訴えると、ハジメさんは小さく笑って「わかった」と言った。





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