呼吸を重ねて

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 (★)

 その言葉の本当の意味を…徐々に知っていく事になる…



 ほのかなランタンの灯りに照らされた空間を、私とハジメさんの呼吸が、震えながらさまよう。

 タガが外れたとハジメさんが言うのなら私も…タガが外れた。



 ──ハジメさんと、もっと近づきたい。



 そう念じたのが通じたのか、ハジメさんは私の首筋に顔をうずめてギュウッと抱きすくめた。

 いつも、どこか隙間があった私達。

 スルリと抜け出す余裕を、ハジメさんは常に私にくれていたんじゃないか。

 でも今は…すっかり閉じ込められて…ハジメさんの熱をまともに受けている。

「…ホノちゃん。
 …ホノちゃん。
 …ホノちゃん…」

 ハジメさんが連呼する。

 連呼しながら、私の両手を頭の上に上げさせて、耳たぶを甘噛みする。

「ャ…ア…」

 ハジメさんの吐息がこもって聞こえて、ゾクゾクと胸の内側が込み上げた。

 手で抑えたい、でもハジメさんの手が重く押さえ付けてそうすることが出来ない。

「ハ…ハジメ、さん…」

 掠れて涙声になってしまった。

「…コワクナイ…?」

 と声にはしなかったけれど、またそう言っているかのような、ハジメさんの眼差し。

 押さえ付けていた片方の手がゆっくり下へ…

 頬を…肩を…腕を…腰を…

 体のラインをゆっくりなぞる。

 この胸の震えは、怖さから?

 …違う…

 こんなに近い距離なのに、足りない? もっと、もっとという我儘からの…高揚。

「…ァッ…



 …やめちゃ…ヤダ…ァ」

 声帯が振動しない、私のコトバ。

 私のおへその辺りで止まっていたハジメさんの手が、胸の膨らみの間を縫って上ってきた。

そして、パーカーのジッパーの引き手を摘まむと、少し強引に一気に下へ引き裂いた。

 下着の上から直にパーカーを着ていたから、オフホワイトのレースのブラがすぐにあらわになって、

「ホノちゃん…



 …エッチ。カワイイ…」

 ハジメさんは上気したような顔でそう言って、両手を体の横に置いた。

 それから肩を撫でるように、ブラのストラップも一緒に引っ掛けて、スル…とパーカーの肩の部分を少しだけ下ろした。





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