呼吸を重ねて

2/62ページ

前へ 次へ


 初めて逢った時は、こんな関係になるだなんて思ってもみなかった。

 高校の時の男友達の北川がバイトをしているラーメン屋さんの、気さくで話しやすい店長さん。

 そう、あの時はただの客でしかなかったのに。

 この夏で急接近した。一緒に海に行って、一緒に花火を見て、一緒にラジオを聴いて。

 この人といると安心する。

 安心の中に…トクトクと心臓を苦しくさせる音が響く。

 それに気付いた時に、



「ホノちゃん。

 俺と…付き合って下さい。

 なんでって(笑)

 …好きになっちゃったんだよ。

 …ダメ?」



 5コも年上の彼からの告白。

 こんな年下の、子供みたいな私をどうして好きになってくれたんだろう。

 それはまだ、聞けないままでいる。



 後で北川から聞いた、

「にーさんとホノカがくっついたらいーなぁ、って思ってたし、くっつくんだろーなぁ、って思ってた。
 なんでって。
 カンだよ、カン(笑)」

 この言葉は未だにナニソレって思う(笑)



 近藤帆乃夏、21歳の秋始め。

 彼、ハジメさんとのお付き合いが2ヶ月を経過したところだった。





2/62ページ
スキ