〈改稿版〉traverse

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 学校には普通に行けた。むしろ、がむしゃらに勉強に集中出来てよかったんじゃないかと思う。

 一方で…元々はおばあちゃんの為にと始めたマッサージの勉強、おばあちゃんがいない今…イミはあるのかな…? なんて…思ったり…



 きたいわ屋にも働きに出た。

 だけど、いつもの時間まで働かせて貰えなかった。

 元ちゃん曰く、顔色が良くないらしい。自分ではよく分かんないけど。

「勇実? 今日はここまでにしな。
 来てくれて…顔見せてくれて…ありがとな」

「…また、次も来ていい…?」

「…おう。オマエのペースで、いいからな…」

 いつもより1時間も早い上がりで、私はきたいわ屋を出た。



 お父さんとお母さんに、おばあちゃんの遺品整理が落ち着いたら、実家に戻るように言われている。

 もう随分古い家屋で、取り壊して土地を売ろうと動いているらしかった。

 それもいいかな…と思う。

 おばあちゃんがもう帰ってこない家なんて、なんのイミもないんだ。



 今日は自転車に乗ってこなかった。

 私は、フラフラと覚束無い足取りで、メイン通りを歩いた。





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