traverse
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マスターがモーニングプレートとコーヒーを運んでくれて、モグモグと食べ始めても、私とタツミくんは話し続けた。
「そうだ、ギモンだったんだけど、パクッ。タツミくんさぁ、先週ここで会った時さぁ、モグモグ。私に会釈したの、何で?? …ゴックン」
「うん? モグモグ…あぁ、マスターと親しげだったから、身内の人なのかと…ズズズッ。違うの?」
「ふふふ…違いますよーだ…ズズッ。私のお父さんの友達なの。いつもよくしてもらってる…モグモグ」
「へぇー。じゃあ、アッチは? ラーメン屋。あ、ごちそうさまでした。うまかったです」
「はやっ。モグモグ。先週も思ったけどさ、タツミくん、食べるの早過ぎ。ゴックン…もっと、ゆっくり食べたらいいのに」
「そう?…ズズズッ」
「そうだよ。
あ、【きたいわ屋】はね、知ってる人の紹介っていうか…
いっこバイト増やしたいって相談した時に、あそこが今バイト募集してるよって教えてくれて…
飛び込みで、雇ってくださいって頼んだら、採用してくれた(笑)」
「フフフ…あのラーメン屋、いいね。イッサの事、いっぱい話してたよ。頑張り屋とか、マッサージの勉強中とか」
「んっ? ハジメちゃんが…パクパク…何か言ってた?」
「ハジメ、あぁ、あのおにいさん。いや、あの人が戻る前に、俺出ちゃったから。大将さんとか、そこにいたお客さんとか。
…フフッ、イッサ、なにげにおじさんキラーだね(笑)」
「ナニソレー! 変な呼び名増やさないでよっ。イッサだけでもヤなのにっ。ゴクゴク…マスター、ごちそうさま! おいしかったよ」
そこまでの会話を終えると、マスターがぶはっと吹き出した。
「いやー。おもしろいね、キミら。あ、どうぞどうぞ、続けて? オジサンは奥でお片付けしてるからネ~」
…