traverse

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 (★)

「ゴメン、イサミ、ゴメン。
 …スゴイ…カワイカッタ…」

 服を乱したままの私をギュッと抱きしめて、タツミくんは私の髪を撫でた。

「うううっ…ばかぁ、タツミのばかぁ。
 なんでよぉ。オカシクなっちゃったよぉ…」

 泣きじゃくりながら、タツミくんを責める私。

 どうにかなっちゃいそうだった。

 いや、どうにかなっちゃったんだ。

 今までの私じゃなくなっちゃった。

「…イサミ? ベッド行こ…?」

「え? …わわっ」

 タツミくんが突然、姫抱きで私を抱えた。ソファーのすぐ後ろにあるベッドに、そっと下ろされて、そのまま押し倒された。

 シャツ…スカート…ブラ…ショーツ…

 タツミくんが器用に脱がしていく…

 あっという間に、生まれたままの姿にされてしまった。

「え…な…ヤダッ」

 慌ててベッドのシーツを引っ張り出して、体を包んだ。

「ダメ…後で取っ払うからね…」

 そう言ってタツミくんがとった行動に、私は目を逸らした。

 タツミくんは

 次々に服を脱いでいって

 私と同じように

 生まれたままの姿になった





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