traverse

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 窓からの明るみで、目が覚めた。

 いつの間にか、布団の中で眠っていた。

「あ…? タツミくん…?」

 この布団は、タツミくんが寝室から運んできてくれたに違いなかった。

 私はいつまで、タツミくんにもたれ掛かっていたんだろう。

 タツミくんが包んでくれていた手を、そっと握りしめた。

 感触を、まだ覚えている。

「タツミくん」

 返事はない。

 ダイニングテーブルに、昨夜は無かったレジ袋が置かれているのを見つけた。

 その横に、メモが置かれていた。

 この紙、見た事ある。タツミくんが歌詞を書き留めておくのに使っている、ノートの切れっ端。



【よく眠ってたね。

 これから仕事があるので、いつものモーニング食べてから行きます。

 ごはん、適当に買ってきた。
 食べられそうなら食べて。

 ゆっくり
 元気になりな。】



 袋の中には、おにぎりやサンドイッチ、ドリンクが入っていた。

 まだ…【喫茶KOUJI】には顔を出せそうにない。

 私は、タツミくんの気遣いを有り難く頂戴した。



 昨日は…日曜日だったんだな…

 タツミくん、日曜日も歌う事にしたんだろうか。



 そんな事を考えながら…タツミくんが買ってくれたおにぎりを、少しずつかじった。





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【traverse】中間雑談・10





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