雑踏の中のふたり
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一旦離れて、見つめ合った。
千晴の、潤んだ大きな瞳。
今ので、濡れた唇。
磁石の様に引き合って、また唇が重なる。
ちゅ…ちゅ…ちゅ…
「…ンッ…ゥン…」
卑猥な水音。千晴の艶かしい声。それを出している、千晴のかわいくて柔らかい唇。
虜になる。
「…コータ…ってヤツとも…
…こんな…してた…?」
急に嫉妬心が沸いて、千晴に意地悪な事を聞く。
顔を真っ赤にさせて、千晴はフルフルと首を横に振った。
俺が、最初なんだ。俺も、千晴が、はじめて。
そう思った途端、さっきより愛しさがさらに込み上げて、さっきより激しく、千晴の唇を貪った。
「…ヤ…ァ…たか…し…」
切なそうに、高志の両手に自分の手を添えて、千晴が喘ぐ。
それが、高志をますます興奮させた。
「…ち…はる…コータ…忘れて…
…ごめ…ん…ちはる…ゴメン…
…俺…ちはるが…好き…」
…