雑踏の中のふたり
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少女の喘ぎに、おっさんはますます興奮した。
少女の首筋に唇を這わせて、片手は少女の腰のくびれを撫で回して、もう片手はまだしつこく胸に添えて、尖端をいやらしく摘まんだりしていた。
首に掛けている麦藁帽子のゴムが邪魔だったのか、おっさんはゴムを掴んで少女の首から抜けさせると、ポイと遠くへ投げた。
「あっ…!!」
頬の紅潮が一瞬にして青ざめて、少女は焦りを短く叫んだ。
「…ッダメ、あれだけは…」
帽子を追おうとする少女を、おっさんはガッチリと腕に閉じ込めた。
「あんな、日に焼けてボロボロの帽子なんか、どうだっていいだろう?
それより、もっとキモチイイこと、しよう」
「イヤァ…ッ!!」
おっさんが少女の下着に手を突っ込んだ。
布の下でいやらしくうごめく、おっさんのいかつい手。
少女が手首を掴んで抵抗するけれど、びくともしない。
「…アッ…アッ…アッ…ン」
再び少女の頬に赤みが差して、声がしっとりと濡れた。
「いいねぇ…いいねぇ…やっぱり、若い子はこうでなくちゃ、ねぇ…やさしくしてあげるから…うわっ」
甘ったるい声で囁くおっさんが、急にのけぞった。
おっさんと少女の間に割って入って、ぐっとおっさんの襟を下から突き上げたのは、高志だった。
「いい加減にしろよ、触るだけって言ったじゃないかよ」
…