悠の詩〈第1章〉

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 先輩達の好奇の目に迷惑を感じながらも、とりあえずそれは隅っこに置いといて。

 話はまた部活の事に戻る。

「そういうお前らはどーすんの? 俺だけ? 野球って心に決めてるのは(笑) ちなみにコイツは悩んでるらしい」

 言いながら、俺の隣に立っている樹深の腕をバシバシと叩いた。

 途中から来た柏木は見当がつかず不思議そうな顔をしたが、由野が「部活の話、ほら、今日から仮入部期間でしょ?」と言うと、あぁ、と頷いた。

「後藤くんそうなの? てっきり水泳かと。そう言う私も…どうしようかなんだけど」

「あれ、吹奏楽じゃないの? 小学校のクラブで一生懸命やってたじゃない」

「うーんー、中学はもっと、肩の力を抜いて楽しみたい。吹奏楽は…それはちょっと無理そうだから。
 色々見てみようと思うんだ。あー楽しみ」

「なるほどねー。俺も…色々見ようかな。お互いいいのが見つかるといいね」

 同じ小学校同士、同じ境遇(?)同士で気が合うらしい樹深と由野。

「丸山は?」

「えっ僕?? 言わないとダメ?」

「当たり前だろー(笑)」

 急に振られてしどろもどろな丸山がおかしくて、こめかみをぐいっと指先で突ついた。

 これが原因で丸山の頭をおかしくしちゃった? と疑ってしまうくらい、丸山の口からついて出た言葉に皆が驚いた。

「僕は…柔道とか」

「「へええー!?」」

「い、いや、ほらちょっと…僕、気弱な感じじゃん? その辺を少し変えたくて…
 柔道に限らず、剣道とか…そんな感じの」

「とにかく武道系な? 意外だけど…いいじゃん!」

 俺の感想に他の皆もうんうんと頷く、丸山ははにかんで「ありがと」と言った。





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