悠の詩〈第2章〉
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「こうなりゃヤケだ、さあ由野、何でも言え!」
「え、今??」
俺の勢いに由野が苦笑いしながら後ずさる、柏木がさりげなく俺達の間に手を差し込んだ。オマエは由野のナイトか。
「ごめんね柳内くん、今すぐには出てこないから…後ででもいい? 帰り解散するまでには必ず(笑)」
柏木の肩越しに隠れて、由野は俺に手を合わせてそう言った。
「そうだよ柳内くん、ゆっくり考えさせてあげてよ」
「はる、柳内くん凄み過ぎ(笑)」
丸山も樹深も口々に俺をたしなめる。
しょーがねーなー。
俺は由野の提案を受け入れて、皆と帰り支度を始めた。
ボーリング場を出ると外はまだまだ暑くて、でも太陽は傾きかけていて夕方になっていくところだった。
出てすぐそばのバス停の時刻表を見ると、ちょうど次のバスがもうすぐ来そうだった。バスなら皆それぞれの家の近くで降りられる。
柏木だけ、電車に乗った方が効率よく帰れたけど、由野に「悠サン! ダメ、まだ一緒にいて!」懇願されて(笑)、若干仕方なしに俺達と帰る事になった。
バスが来て、俺達は一番奥の長座席を陣取った。
この時に丸山に電車賃払って貰っていたのを思い出して、丸山以外全員慌てて、丸山に150円×4一斉に差し出した。丸山は笑って受け取った。
動き出したバスに心地よく揺られながら、俺達は今日の事を振り返り噛みしめた。充実したいい一日だったな。
「みんなどこで降りるんだ? 俺○○坂上」
「僕は○○坂下」
「私は終点まで…電車ならふたつなのにな(苦笑)」
「俺は○○公園入口」
「あっ私も」
ということは樹深と由野が先に降りる。といってもそこに着くまではまだ大分遠い。
それまでに由野がさっさとお願いという名の罰ゲーム(苦笑)を済ませてくれないかな、そう思っていると、
「あ、そうだ!
ねえ柳内くん、決めたよ。これにしよう」
由野がパチンと手を叩いて言った。
…