悠の詩〈第2章〉
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環奈さん達が出ていくのをぽやっと見送っていたら、「柳内くんってば!」再度丸山に叫ばれた。
え、何で俺だけ? と思ったら、柏木はとっくに皆に混じっていて、呆れた視線を俺に寄越していた。
「悪ィ悪ィ、急ぎだった?」
「貸し靴。もうプレイするレーン決まったから、受付の人にサイズ言って出して貰って。
由野さん達先行ってて、15番レーンだよ」
電車の時といい、今日の丸山は妙にキビキビ。由野の前だからはりきってんのかな。
丸山に言われた通りにスタッフさんに靴を出して貰っている間、俺の事を待ってくれている丸山以外の3人は、それぞれ自分に合う重さのボールを探して持ち出していた。
「丸山ー。お前、スコアの付け方知ってる?」
「うん、一応は。ここ手書きなんだよね、今時珍しいよね」
「だよなあ。俺もさ、父ちゃんに教えて貰ってやり方覚えたけど、ストライクとか続くとちょっと怪しいな(苦笑) 丸山が分かるなら安心だな」
「待って待って、僕だってそんな完璧じゃないんだよ(苦笑) 間違えちゃったらゴメン。
後藤くんはどうかな? 詳しそう?」
「いやー…アイツはだめだろ(苦笑) さっきの話聞いたろ、ボーリング自体久々だって」
レーンに辿り着くまでに丸山とそんな話をした。
スコア、いざとなったら柏木に頼ろう、アイツかなり出来るみたいだし(ウデの方は知らないけど)。
だけど、それを今丸山に伝えるのはなんとなく気が引けた。余計な事言って、なんてアイツにくどくど言われそう(げんなり)。
ボールも選んでレーンに到着すると、樹深と由野と柏木がデスクを囲んで楽しそうに雑談をしていて、
「柳内くん丸山くん、順番どうしようか? ていうか、どういうゲームにする? 個人戦? それともチームに分かれて対戦にする? 」
俺達にそう聞いてきた。
…