waiting

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 俺と芽衣子の始まりは、ちょうど3年前。

 俺の大学のサークルの集まりに偶然やって来た芽衣子に、俺が一目惚れした。

 芽衣子を連れてきたのは靖子、俺の高校時代の友人で、芽衣子の従姉。

 靖子が縁となって出逢った俺達。その集まりの時間だけの共有だったはずが、その後も街中で偶然逢って。

 そこから俺の気持ちは猛スピードで芽衣子に落ちていった。数日間でこんなに人を好きになった事はなかった。

 自分を見てほしい

 もっと近づきたい

 もう離したくない

 沸き出る欲に自分でも驚いたが、その思いに従順になった。

 ありがたいことに…芽衣子も同じ気持ちでいてくれて…

 思いを伝え合い、肌を重ねた俺達…

 芽衣子は住まいの遠くの県へ帰っていったけど、それからも俺達は電話やメールのやりとりを続けて、いわゆる遠距離恋愛をしてきた。

 この3年間、芽衣子と過ごした回数は片手で数えられる程しかなくて、今回の逢瀬も1年近く振り。

 芽衣子が専門学校を卒業の年なので、勉強に専念させてあげたい思いもあって、季節の休み毎で逢うのを自粛した。

 その甲斐あってか、芽衣子は無事に卒業出来る単位を全て獲得して、他の学生たちよりも少しだけ早く学校生活から解放された。

 卒業までの自由時間、芽衣子は長く続けているバイトをいつも以上に頑張って、お金を貯めて、

「一幸、2月の雪まつりの日に、私がそっちに行くからね。
 一幸の仕事帰りに、一緒に回ろう」

 嬉しいプランを立ててくれたんだ。

 それが今日、なのに、仕事のトラブルのせいで芽衣子との時間が否応なく削られる…ちくしょう。

 なんとしても早いとこ処理をして、芽衣子を迎えにいくんだ。

 次の社に入る前にもう一度スマホを見る、LINEの通知が一件、芽衣子から返信が来ていた。


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(んーっ、寒い! やっぱりこっちは冷えるなあ。
 一幸に着いたって連絡を…あっLINE来てる。
 …そう、トラブルが…
 了解…ヤスコの家に着いたらまた連絡するね…
 送信、っと…
 既読は…つかないか…
 がんばって…一幸…

 さあ、ヤスコに電話電話)





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