FALL
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「相田さん?」
不思議そうに首をかしげる芽衣子ちゃんを横目に、旅行バッグを地面に下ろす。
そして、芽衣子ちゃんの頬に、手を滑らせた。
「…ごめんね?
…少し…充電させて…」
「…んっ…いいよ…」
芽衣子ちゃんが言い終わらない内に、その華奢な体をぎゅっと抱きしめた。
抱きしめながら髪を撫でていたら、シュシュがスルッと落ちてしまって、鎖骨が隠れる程の長さの、綺麗な黒髪がさらりと揺れた。
「…伸びたね…カワイイ…」
「相田さんは…長い方がスキ…?」
「ん? んー…芽衣子ちゃんは、どっちでも似合うから、決めらんない」
「もぉ…」
顔を真っ赤にする芽衣子ちゃんが可愛すぎて、頬を包んでキスをしようとして…寸前で止めた。
息がかかる、至近距離。
潤んだ瞳で、芽衣子ちゃんが問いかける。
「…どうしたの…?」
「……あのさあ……
もう1年だし…敬語じゃなくなってるのに…
……まだ、相田さんなの……?」
「…えっ…」
芽衣子ちゃんが目を丸くした。
「…そろそろ…よくない…?
…名前…呼んで…?
…呼んでくれなきゃ…
……このままだよ?」
「……えぇっ……?」
イジワルな、俺。
完全に芽衣子ちゃんで遊んでる。
でも、これは自分にとっても生殺し。
早く、唇に触れたい。
「~~~っ…どうしても…?」
「…どうしても…
……言って?…メイコ……」
「…も…! だから、それ、ズルイから…!
そんな、やさしく…呼んじゃヤダ…
……
……
……か、ず、ゆき……」
「…よくできました…」
「……ンッ!……」
ふわりと
柔らかく唇を当てた
1年前と同じ…いや…
あの時以上に幸せで穏やかなキス
逢えなかった時間を埋めるように
お互いの唇を求め合った
相田一幸
岡田芽衣子
青い恋愛、真っ只中です
FALL〈完〉
[リアルタイム執筆期間]
2014年11月25日~2015年1月7日
[改稿終了日]
2021年6月13日
[執筆BGM]
あいのうた / Something ELse
[リアルタイム執筆期間]
2014年11月25日~2015年1月7日
[改稿終了日]
2021年6月13日
[執筆BGM]
あいのうた / Something ELse
よければこちらもどうぞ
→【FALL】あとがき
→【FALL】おまけ
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