FALL
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芽衣子ちゃんが作っていってくれたおじやを頂戴してから、病み上がりでまだ回復が足りないのか、それとも…
とにかく、また寝入ってしまった。
次に起きたのは、お昼を大分過ぎた頃だった。
ケータイの画面を見る。
着信ゼロ。メール受信1件、坂本からだった。
また大学の講義のノートをとってくれたのと、スイちゃんとのノロケ話が…ちょっと、長くて…勝手にしろって思った(苦笑)
芽衣子ちゃん、まだ着かないのかな。
お昼前には電話をくれると踏んでいたのだけど、どうしたんだろう。
あんなに、気持ちを確かめ合ったのに、もう、不安。
芽衣子ちゃんの笑顔、芽衣子ちゃんの声、やっぱり近くにいないと、押し潰されそう。
待受画面に戻して、ぼんやりとケータイを見つめた。
……あいたい……
昨日の風邪で倒れてた時と同じ様な孤独感が、また襲った。
ふぅー、と深く息をついた時、
♪~、♪~、♪~
着信。この音は、未登録番号からのもの。
もしかして、と、慌てて画面に目線を戻した。
そこに出た番号は、公衆電話でも、家番でもなかった。
090ーXXXXーXXXX
知らない、携帯番号。
ひと呼吸おいて、受話ボタンを押す。
「はい…もしもし?」
ザアァーッ、と雑音が流れて、そのすぐ後、短い息づかいが聞こえた。そして、
『…もしもし…!?』
あぁっ…
すぐに分かった。
「芽衣子ちゃん…!? なんで…!?」
…