FALL
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しばらく…布団の上で寝転がりながら、抱きしめ合った。
芽衣子ちゃんの優しい匂い…なんでこんなに落ち着くんだろう。
触り心地のいい黒髪を撫でながら、芽衣子ちゃんがポツリポツリと話すのを聞いていた。
「きっと…私の方が先に好きになった…
小説読ませて貰って…どんな人なんだろうって、ずっと思ってた…
ヤスコのお友達なら、いつかは逢えるんじゃないかって…
それで…実際に逢えて…
相田さん、すごく優しくて…素敵で…
話しかけられる度に…ドキドキして…
…どんどん…
…好きになっちゃった…」
目を伏せて、声を霞ませて話す芽衣子ちゃんが、可愛くて仕方がない。
言葉の合間に、唇をついばみたくなるのを必死で我慢した。
ひと息おいて…芽衣子ちゃんが続けた。
「一昨日抱きしめられた時にね…
どうしたらいいか…分からなくなった…
相田さんも、私と同じ気持ちなのかなって…
ちょっぴり思って…でも…
…ヤスコが…」
「え? 靖子??」
どうしてここで靖子の名前が出てくるの?
目を丸くしながら、芽衣子ちゃんの次の言葉を待った。
「…ヤスコ、相田さんの事、好きだから…
ジャマしたらダメって…思って…」
「……」
えーーーーーっ???
…