FALL

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「えっ、相田さん? …えっ?」

 俺の意図がさっぱり分からないのだろう、芽衣子ちゃんは目をパチクリさせた。

「うん。聞いて?
 芽衣子ちゃん、明日朝の内に飛行機乗っちゃうんでしょ?
 俺、お見送りしたかったけど、俺も明日は大学があって。
 だからさ、あの…もう少しだけ、芽衣子ちゃんの思い出作りに付き合いたいんだ。
 あ、雪まつりの会場ね、開催前日でも自由に歩けるの。
 まだ作りかけの雪像とかあってさ、そういうのもけっこう楽しいよ。
 このバスの行き先、会場のすぐそばだから。
 だから…どうかなぁ、って思って」

 芽衣子ちゃんに見つめられながら、必死に言葉を並べ立てた。

 大丈夫? 俺、変な事、口走ってない? 芽衣子ちゃん、困ってない?

 ドキドキしながら…芽衣子ちゃんの言葉を待つ。

「はい。平気です。連れていって下さい。
 相田さん、さっきも言いましたけど…
 昨日も今日も…ううん、カラオケの時から…
 私を気遣ってくれて、ありがとうございます。
 私、相田さんのおかげで今回の旅行がとてもいいものになりました。
 相田さんがヤスコのお友達でよかったです」

 はにかみながら…芽衣子ちゃんが言った。

 気を遣ってるとか、そんなんじゃない。

 俺が、君のそばにいたいだけ。





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