FALL
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「えっ、あっ、いいんですか? ありがとうございます!」
俺の言葉にパアッと顔を明るくする彼女。
カワイイ。いや、変な意味じゃなくて。一般論。
「こんな人数だからさ、中々順番が来ないんだ。一緒に歌わせてくれる?」
「いいですよー。じゃあ…この歌! 知ってますか?」
「オーケー!」
リモコンを取ってもらい、彼女が選んだ曲の番号を入力した。
なんとなく二人で笑い合っていると、
「お二人さん、なかよしじゃん♪」
いつから向こうから来たのか、靖子が後ろから話し掛けてきた。
片手で俺の頭を押さえ込み、片手で彼女の肩を抱く。何? この構図。
「ヤスコ」
彼女が靖子を見て言った。
え? 靖子が連れてきた子なの?
「あ、相ちゃん、この子、芽衣子ね。
メイ~、わかってる?
これが! あの! アレを書いたヤツなのよ~!」
「…え? …えぇっ?」
口に含んでいたドリンクを吹き出しそうになった。
靖子お前、何言い出すんだよ。
…