FALL
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「うーん? でも芽衣子ちゃん、あの小説と、俺の食べっぷりと、なんか関係あった?(笑)」
「んっ? あはは、ないかも(笑)
でも、おじやを食べたくなりましたよ。
おじや、しょっぱかったでしょうね」
「え? どうして?」
「だって、おかあさん、きっといっぱい泣きながら食べたんでしょ?
ヤスコに言ったら、相ちゃんがそこまで考えるわけないっしょって言いましたけど」
「あー、まあ、悔しいけど、靖子の言う通り(苦笑)」
「えーっ、そうなんですか?(笑)
でも、想像は自由、ですよね?」
「まあ、はい、そうですね(笑)
芽衣子さんの自由で宜しいと思いますよ?」
「あはは。はい、そうさせてもらいます(笑)」
掘り下げて読んでくれたということに、嬉しさと驚きを隠せない。
カラオケの時の芽衣子ちゃんのあの反応は、嘘ではなかったのだ。
そう思うと急に恥ずかしくなって、話題をすり替えたくなった。
「あー、そうだ芽衣子ちゃん。
食べたらさ、ウォータースライダーに行こうよ。
実は来た時からずっと気になってたんだよね」
「あっ、はい! いいですよ」
話にすっかり夢中になって、冷めてしまったスープカレーを急いで掻き込んで、俺達はカフェを後にした。
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