FALL

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「はあーっ、すっごく、体力持ってかれた(苦笑) ちょっと休憩しようか?」

「そうですね、そろそろお昼ごはんの時間じゃないですか?」

 結局大波体験ゾーンでは浮き具を使わず、揉まれに揉まれて芽衣子ちゃんと大爆笑だった。

 ロッカーまで戻り、貴重品を持って、併設のカフェダイニングへ入ると、いいスパイスの香りが鼻をくすぐった。

「わ、すげえいい匂い。カレー、美味いのかな?」

「相田さん見て、スープカレーがオススメみたい。食べたことないから、これにしようかな」

「俺もそうしようかな」

 券売機でスープカレーを注文し、お盆に乗せられて、空いてる席まで運んでいった。

 スープカレー、美味!

 こういった遊園施設の食べ物って当たり外れが多いから、本当にビックリした。

「うお、これは当たりだ!」

「ふふふ」

「え? なに??」

 芽衣子ちゃんが突然笑い出す。何かした?

「昨日のラーメンの時も思いましたけど。
 相田さん、すごく美味しそうに食べますよね。
 こっちが欲しくなるくらい(笑)」

「えっ、えー? そう? 意識してないけど。
 まあ、実際美味いしね」

「はい、だから、それがすごくよく伝わります(笑)」

「あ、あんまし見ないで。なんか、恥ずかしい(笑)」

「はい(笑)」

 だんだん恥ずかしくなって、俯いてカレーを食べていると、まだ芽衣子ちゃんの視線を感じる。

 ちらっと目線を上げてみると、さっきまでの笑顔ではなくて、真剣な眼差しを俺に向けていた。

 そして、芽衣子ちゃんがぽつりと言った。

「だから、あんな素敵な作品が書けたのかな…?」





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