FALL
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賃金を払って、俺と芽衣子ちゃんは路面電車を降りた。
ワイルドノースへは、ここからまた少し歩く。
「えーと、芽衣子ちゃん、こっちみたい」
「はい」
でかでかと看板があるおかげで、難なく辿り着けた。
窓口で招待券を出し、水着レンタル希望である事を伝えると、スタッフさんがレンタルルームへ案内してくれた。
「男性と女性で部屋が違いますので、一度ここで別れて下さい。
お選びになりましたら、中のスタッフに声をかけて頂いて、レンタル料のお支払いをお願い致します。
その後、部屋の奥に更衣室への扉がございますので、そちらでお着替えなさって下さい。
園内への扉を出た所にシャワーと消毒槽がございます。
その辺りで待ち合わせるとよいと思いますよ」
スタッフさんが丁寧に説明をしてくれる。
「わかりました。
じゃ、芽衣子ちゃん、また後でね?」
「はい。なるべく早く行きますね」
お互いに手を振り合って、同時にそれぞれのレンタルルームへ姿を消した。
…