FALL
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居酒屋のバイトで明け方を迎え、店で少し仮眠を取らせて貰ってから、お昼過ぎまでのガソリンスタンドのバイトへ足を運んだ。
自分の生活の為とはいえ、ちょっと飛ばし過ぎたかな。
でもまあ、明日から2日間はバイトは二つとも行かなくていいから、頑張るのはあと少し。
あくびを堪えながら、この日の仕事をこなした。
「お気をつけてどうぞ、ありがとうございましたー!」
お見送りを終えて、なにげなく辺りを見回した。
「…えっ」
幻を見たかと思った。
道路の向かい側の商店街を歩いている…芽衣子ちゃん。
カラオケの時と大分服装が違ってボーイッシュな感じ、茶系のチェックの丈の長いジャケットを羽織っていた。
帽子屋の前で立ち止まって、商品を眺めている。
「相田ー? そろそろあがりだろ、お疲れ」
タイミングよく、先輩が声を掛けてくれた。
「あっ、そうですか? じゃ、お先です! お疲れ様でした!」
弾けたように、作業着のままガソリンスタンドを飛び出した。
…