FALL

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 芽衣子ちゃんと靖子の背中を、しばらく見送る。

 時々芽衣子ちゃんが振り返って、また手を振ってくれた。

 …カワイイなぁ…

 …また、会えたら…

 …?

 会えたら…何?

 芽衣子ちゃんへ振っていた手がおざなりになり、一瞬、空へ視線を泳がせた時、びゅうっと冷たくて強い風が吹いた。

「さむっ…!」

 思わず目を閉じて肩を竦めた、それと同時に。

(きゃ!)

 芽衣子ちゃんの、短い叫び声。

 目を開けた時に…んっ、と息を飲んだ。

 芽衣子ちゃんはスカートの後ろを片手で押さえていて…

 手で覆いきれなかった布地が舞い上がって…

 彼女の隠れていた片方の太もも

 それから

 わずかに

 下着の色

 呼吸をするのを忘れてたかもしれない

(ヤダもう、突然…)

(そんな短いの履いてるからだよ! 相ちゃん、見てたかもしれないよ?)

 の声に我に返って、慌てて回れ右をしてゆっくり歩き出す。

(…大丈夫、向こうへ歩いていってるよ…)

 そんな芽衣子ちゃんの声を聞きながら、

(ごめんなさい、見ちゃいました)

 罪悪感と、やっぱりオトコだからラッキーっていう気持ちと、芽衣子ちゃんはいつまでこっちにいるんだろう、また、会えるかな…?

 とにかく色んな気持ちが、早鐘を打つ自分の心臓の音と絡み合って、よく分からなくなっていた。



 とりあえず…飲もう。



 足早に皆の所へ歩いていく内に、心臓も元の速さに戻った。





※よければこちらもどうぞ
【FALL】中間雑談・1
どさんこタイム・1





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