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 そんな流れからの、

「…えええ!? あの【帽子】を書いた…相田さん!?」

 突然聞かされたこの事実に私は心底驚いた。

 この人が相田さん…

 ウソみたい、でも、私の目の前に、確かにいるんだ。

 同時に、ヤスコがどうしてこの集まりの事を詳しく話さなかったのかを理解した。私の反応を面白がる為に違いない(苦笑)

「そうだけど…読んだの? あんなの(苦笑)」

 あんなのだなんて。私なりの賛辞を並べても、相田さんは困惑するばかりのように見えた。

「靖子サン…アナタ、勝手にヒトの作品を見せないで下さいよ…恥ずかしいんですけど」

「あら~、トモダチなんだからいいじゃん♪」

 物腰の柔らかそうな相田さんが、ヤスコ相手だとつっけんどんになる。気心知れてる間柄なんだな…と思わざるをえない。

 ふたりのやりとりをぼんやり見ている内に、私がリクエストした曲が流れ出した。

 そうだ、相田さんと一緒に歌う約束。

 勝手に作品を読まれて気まずかったかもしれないけど、マイクを渡すとはにかみながら受け取ってくれたのでホッとする。

「相田オンチだから、気を付けて!」

 主催者さんがそう叫んで、相田さんが苦笑いをした。あれ、もしかして歌うの好きじゃない? でも一緒にって誘ったのは相田さん…

 どういうことだろうと考えると、ひとり周りから離れてるのを、気にかけてくれた…から?

 音を外して皆から笑われても、構わず歌い続けて、その合間に(ゴメン芽衣子ちゃん)とジェスチャーを向ける相田さん。

 やっぱり、いい人だ。





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