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飲み物が届く頃には、周りとそれなりに打ち解ける事が出来た。よくよく聞くと、皆もそんなに繋がりが深いわけではなさそうだった。
でも多分、私だけが未成年。このままいてもいいんだろうかとまた頭を掠める。
ヤスコは一向に戻ってこない、主催者だという人とずっと喋ってる。
ヤスコが私の視線に気付いて、主催者さんに何か言っている。主催者さんが、おー! という顔をしたので、多分ヤスコが 私の事を話したのだと思う。
私がペコリとお辞儀をすると、主催者さんは親指と人差し指で○を作って、「楽しんで」声は届かなかったけど口の動きで分かった。
そのわりとすぐ後主催者さんが、
「よし、そろそろ席替えするぞ! 全員、グラスを持って移動ー!」
と声を張り上げて言ったのをきっかけに、皆がぞろぞろと動き出した。
私はヤスコの所へ行きたかったけれど、人の波に阻まれて無理だった。
皆歌いたいのかな? カラオケの機材の近くが混み合う。
いつでも外へ出られるように、さっきやってもらったみたいにインターホンでのオーダーもしてあげられたら、と私はひとりポツンと出入口付近のソファーに座った。
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