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「…ねぇ…ヤスコ、これ…すごい泣けちゃうんだけど…」

「でしょーう? メイはそうなるって思ってた。
 あたしもちょっと涙ちょちょ切れたわ~」

「うぅ…ぐすん…」

「…エ、そこまで?(呆)」

 お父さんの故郷の北の町へ、法事で家族と行った、高校2年の冬のはじめ。

 これいい話なんよ、こないだの文化祭で同じクラスの男子が書いたんだけどね、って渡された冊子を、一学年ちがいの従姉のヤスコの部屋で読んだ私。

 母と娘の、愛らしいやりとり、切ない互い違い、目を背けたくなる現実、最後の…

 短い物語なのに私の心にしっかり残ったそれは、

「あいだ…いち…?」

「はは、かずゆきって読むんだよ」

 相田一幸さんという人が書いたそうだ。





 …どんな人なんだろう。





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