What is love?
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なんとなく、似てると思ったんだ
私とあなた。
目、あまり人と合わせてはいけないと
教えてもらった小さい頃。
ずっと忘れてたけど、思い出したの。
この街に来て、あなたと会って。
「今日は休みなんじゃなかったの?」
渋谷の駅前、私の目の前にいる男性はスマホを触りながら横目でこちらを見た。
そこに居るだけで目立ってしまうような背の高さ、髪の色。
顔も、、、街を歩けばすれ違う人も振り返るほどみたいだけど、私にはイマイチそう言うのはわからなかった。
何より今はサングラスでその顔も周りからは認識されてないと思うけど。
「ごめんごめん、ちょっと店調べてた。凛が好きそうなカフェとか、どこか行きたいところある?」
淡々と話す姿にペースを乱される。
ちょっと前まで知らない人だったのに、興味本位で近づいた私も多分悪いよね。
「招待してくれるなら、僕は凛の家でも良いけど!」
どんな顔して言ってるのか、上がった口角しか見えないせいで全くわからないのだけど
そのニヤニヤとした口元とフフンと笑った声から私をからかっているんだろう事はわかった。
「私の家って・・・あなたが用意したマンションじゃない。
あんまり変な事言ってると、私はこのままコウセンって所に電話しても良いんだけど?」
スマホを取り上げてちょっと生意気に振る舞ってみれば、慌てた様子でそれを取り返そうと手を伸ばしてくる姿が子供のよう。
「ちょーっと待って!それだけは、僕一応教師だからさ、生徒もいるし、ね。」
そう、どこかの学校で先生してるって言うけど・・・胡散臭いかも。
「僕がどこの誰かもわからない女の子にこーっそり会って部屋まで用意してるなんて知られたら・・・クビかもね」
「私が世間知らずなのは自分で十分承知してるつもりだけど、それは私もわかるかも。」
呆れたようにしか言葉が出ない
東京に来たのはちょうど一ヶ月くらい前だけど、来たばかりの時は本当にびっくりすることばかりだった。
それでもこの人に会った瞬間、不思議だった。
初めてとは思えない感覚、自然と進む会話。
誰も私のことを知らないこの街であなただけが私を知ってるなんて、なんだか変な感じ。
「・・・誰もいない所、行きたいかも」
雑踏の中、人の視線がムズムズする。
聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟いたつもりがしっかり伝わっている。
「おっけー、じゃあ行こっか」
誰もいないビルの屋上、風は少し強めで寒くて、ちょっと来た事を後悔した。
「人が多いところいると、疲れるかも・・・なんだかたくさんの目があって、視線が気になって・・・上手く表せないのだけど。」
私が普通でない事はわかっているけれど、
いざ人の多い所に来ると状況に耐えられない。
これから、慣れていかなきゃなのかな。
「わかるよ、僕も一緒」
頭に優しく手を置かれ、触れられた瞬間何かが込み上げてくる感覚があった。
訳あって東京からは離れた田舎を出る事になって、1人で立ち尽くしていた。
本当は心細くて、寂しくて、どうしたら良いかわからなかった。
そんな時声をかけてくれたのがこの人。
「ねぇ、何で私の恋人になってくれたの?」
聞きたかったことが自然と溢れていた。
「んー・・・凛が可愛かったから」
「嘘つきだ」
「嘘じゃないよ、本当。」
本当に恋人?
恋人ってなんだろう、恋人になるのに理由って必要なのかな。
「・・・じゃあ、本当の理由はまだ内緒?」
目の前の大きな手に重ねるように触れると、そのまま手のひらを合わせて引き寄せられ、抱きしめられた。
「内緒」
いつか分かる時が来るのかな。
私がずっと知らなかった言葉。
愛って、なんですか?
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