最後の一滴
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そうしてサクサクと準備は整えられ、甲板にはプール(衝立付き)が二対、パラソルの下にはテーブルとドリンク、チェアにはタオルが積まれ準備完了となった。
「さぁ、なまえ」
『!はい、』
「先ずは海水プールに足を浸してみてくれるかしら」
『…はい』
"海水"と書かれた札(これも作ってくれたの?)のあるプールに近付いて足を付けてみたが、これといって変化は無いようだ。
「おいロビン!なんも変わんねえぞ!?」
「そうねぇ、じゃあそのまま座って腰あたりまで浸かってみてくれる?」
『…はい』
そっと足を折り膝を付いた途端、
―――ボフン!!
「「爆発したーー?!?!」」
「やっぱりね」
『にゃおぉ(ネコになった)』
「ねぇロビン!どういう事!?」
「先ずはなまえをプールから出してあげて」
「!!直ぐに!!」
バビューンと飛んで来て私(ネコ)を救い上げ、そのまま持っていたタオルで優しく包んでくれたのはまたしてもサンジさんだった。
「寒くねぇか?」
『なぉん(大丈夫です)』
「ん"ん"ん"がわ"い"い"♡♡♡」
今にも鼻血を出しそうだが、私にかからないように我慢してくれて居るのだろうか?
難儀な人だな…と眺めていたが、周りが早く教えろとロビンさんをせっついている。
「もうひとつ試したいから、誰か海楼石も持ってきてくれる?」
「俺が行ってくるわ!確か…あれ?どこに保管してあんだっけ?」
「もう!私が行くわ」
申し出たウソップさんに呆れながら、ナミさんは中へとかけて行った。
その間も待ちきれないルフィさんは、ロビンさんに早く早くとキラキラした目で好奇心いっぱいに聞いている。
「うふふ、もう少し待ってね。ナミが帰ってきてからよ」
「えーーー!早く教えろよぉ〜〜」
「ほら、持ってきたわよ!」
ナミさんの手元には輪っかのような物が握られていた。
「これはね、海とおなじ成分を持つ特別な石で出来た手錠の欠片よ。とても貴重で危険な物だからウチには念の為これだけ保管してあるの」
『にゃにゃぁ〜ん(そんなものがあるんですね)』
「さぁ、次は真水のプールに入ってみてくれる?」
『にゃあ(はい)』
「あっ、サンジくんは着いてっちゃダメよ」
「えっ!?」
「また鼻血出てしまうかもでしょう?」
「なるほど、もしコレでなまえが人間になったら、また幸せパンチに当たるかもしれないってことね」
幸せパンチとは何かわかっていないが、恐らくまた人間になるのだとしたら、裸の状態に戻るのだろう。
そうすれば必然的に先程のお風呂場での出来事と同じ事が起こってしまう…私ひとりで"真水"と書かれた方のプールに向かった。
「じゃあ先ずは足からね」
『にゃあ(はい)』
ちゃぷちゃぷと足を付けてみたが、変化は無いようだった。
「うーん、やっぱり身体の半分以上がラインなのかしら?なまえ、そのまま座ってみてくれる?」
『にゃあ(はい)』
お尻が水に付いた途端またしても、
―――ボフン!!
「「また爆発したー!!!」」
「想像通りね。ナミ、タオルをお願い」
「は〜い!ウソップ海楼石持ってて」
「おっ、おお!!」
ナミさんによってタオルで包まれたが、先程の海水プールには無惨にも濡れた借り物の服が一式浮かんでいた。
『ごめんなさい…』
「仕方ないからすぐ持ってくるわ」
『ごめんなさい…』
「そうじゃなくて!こういう時は"ありがとう"って言うのよ!」
『でも、』
「じゃあもう服いらない?タオルでいい?」
『あっ、いや、その、…皆様のお目汚しでなければなんでも…』
「…はぁ、ここまで自己肯定感の低い人は初めてだわ。わかった、ちゃんと私が施すことに対しては"ありがとう"で応えて。これはやりたくてやってる事なの。逆を言えば、嫌だと思うことはやらないからそれが海賊。それが自由なの。わかる?」
『…はい。ありがとうございます。よろしくお願いします』
「いいわ。サンジくんのココアでも飲みながら待ってて」
『はい!』
さあレディ!こちらに温かいマシュマロココアをご用意してありますよ〜と華麗に案内されチェアにあれよと勧められ、バスタオル姿の私にはいつの間にか用意されていたガウンが被せられVIP待遇に目を白黒させていると、握らせてくれたカップは程よく暖かくて気持ちがホッと落ち着いた。
『かわいい…』
「なまえちゃんこういうの好きなかって思って。お気に召しましまか、レディ?」
『ありがとうございます!〜ふぅふぅ…こくん…甘い…おいしぃ…』
ココアにはカラフルなマシュマロが乗っていて、シュワシュワトロトロに溶けだしたマシュマロとココアの甘さが絶妙で、ポカポカと心が晴れ渡るようだった。
「なまえだけずりい!!!サンジ!俺のは!?」
「野郎共にはキッチンだ!飲んだらすぐ戻って来いよ!!」
「ぃやっほー!」
「あっ、ルフィだけずりぃ!オレも行くー!」
「あっ待てルフィ俺今海楼石持たされてんのに!助けてくれサンジ!!」
しゃあねぇからウソップの分は後でフランキーとブルックの作る時にもっかい淹れてやる。とサンジさんの言葉を聞いて安心したようで、手元の海楼石に集中し直した。
『海楼石は海と同じ力って言ってましたが、具体的にはどういう力なんですか?』
「この石はね【海と同じエネルギーを発する】と言う特性があって、【海が固形化したもの】と例えられているの。つまり、海が弱点な悪魔の実の能力者がこの海楼石に触れると、海(=水中)に落ちた時と同じ状態に陥るって事よ」
『悪魔の実の能力者…それはさっきルフィさんの腕が伸びたり、ロビンさんの腕が生えたりするアレですか?』
「腕だけじゃなくて、色んな特性があるわ。悪魔の実に関しては追々勉強しましょ」
『はい!お願いします!』
「つまり海楼石に触れている間、能力者は悪魔の実の能力を一切使えなくなる。そのため、能力者を捕える際にはこの海楼石製の拘束具が必要不可欠なの。まあ、コレは鎖から切り離された輪っかの部分なんだけど、それでも海楼石を加工できる人は限られていて、石そのものも貴重な物だから早々手に入るものでも無いのよ」
『そんなすごいものがあるですね…』
これで何を試そうとしているのかはわからないが…ナミさんが再び服を選んで持ってきてくれたので、着替えさせてもらった頃にはココアを飲みに行っていたメンバーも帰ってきていた。
さぁ、答え合わせだ
(ネコと人間変化の法則とは)
2024.07.28
「さぁ、なまえ」
『!はい、』
「先ずは海水プールに足を浸してみてくれるかしら」
『…はい』
"海水"と書かれた札(これも作ってくれたの?)のあるプールに近付いて足を付けてみたが、これといって変化は無いようだ。
「おいロビン!なんも変わんねえぞ!?」
「そうねぇ、じゃあそのまま座って腰あたりまで浸かってみてくれる?」
『…はい』
そっと足を折り膝を付いた途端、
―――ボフン!!
「「爆発したーー?!?!」」
「やっぱりね」
『にゃおぉ(ネコになった)』
「ねぇロビン!どういう事!?」
「先ずはなまえをプールから出してあげて」
「!!直ぐに!!」
バビューンと飛んで来て私(ネコ)を救い上げ、そのまま持っていたタオルで優しく包んでくれたのはまたしてもサンジさんだった。
「寒くねぇか?」
『なぉん(大丈夫です)』
「ん"ん"ん"がわ"い"い"♡♡♡」
今にも鼻血を出しそうだが、私にかからないように我慢してくれて居るのだろうか?
難儀な人だな…と眺めていたが、周りが早く教えろとロビンさんをせっついている。
「もうひとつ試したいから、誰か海楼石も持ってきてくれる?」
「俺が行ってくるわ!確か…あれ?どこに保管してあんだっけ?」
「もう!私が行くわ」
申し出たウソップさんに呆れながら、ナミさんは中へとかけて行った。
その間も待ちきれないルフィさんは、ロビンさんに早く早くとキラキラした目で好奇心いっぱいに聞いている。
「うふふ、もう少し待ってね。ナミが帰ってきてからよ」
「えーーー!早く教えろよぉ〜〜」
「ほら、持ってきたわよ!」
ナミさんの手元には輪っかのような物が握られていた。
「これはね、海とおなじ成分を持つ特別な石で出来た手錠の欠片よ。とても貴重で危険な物だからウチには念の為これだけ保管してあるの」
『にゃにゃぁ〜ん(そんなものがあるんですね)』
「さぁ、次は真水のプールに入ってみてくれる?」
『にゃあ(はい)』
「あっ、サンジくんは着いてっちゃダメよ」
「えっ!?」
「また鼻血出てしまうかもでしょう?」
「なるほど、もしコレでなまえが人間になったら、また幸せパンチに当たるかもしれないってことね」
幸せパンチとは何かわかっていないが、恐らくまた人間になるのだとしたら、裸の状態に戻るのだろう。
そうすれば必然的に先程のお風呂場での出来事と同じ事が起こってしまう…私ひとりで"真水"と書かれた方のプールに向かった。
「じゃあ先ずは足からね」
『にゃあ(はい)』
ちゃぷちゃぷと足を付けてみたが、変化は無いようだった。
「うーん、やっぱり身体の半分以上がラインなのかしら?なまえ、そのまま座ってみてくれる?」
『にゃあ(はい)』
お尻が水に付いた途端またしても、
―――ボフン!!
「「また爆発したー!!!」」
「想像通りね。ナミ、タオルをお願い」
「は〜い!ウソップ海楼石持ってて」
「おっ、おお!!」
ナミさんによってタオルで包まれたが、先程の海水プールには無惨にも濡れた借り物の服が一式浮かんでいた。
『ごめんなさい…』
「仕方ないからすぐ持ってくるわ」
『ごめんなさい…』
「そうじゃなくて!こういう時は"ありがとう"って言うのよ!」
『でも、』
「じゃあもう服いらない?タオルでいい?」
『あっ、いや、その、…皆様のお目汚しでなければなんでも…』
「…はぁ、ここまで自己肯定感の低い人は初めてだわ。わかった、ちゃんと私が施すことに対しては"ありがとう"で応えて。これはやりたくてやってる事なの。逆を言えば、嫌だと思うことはやらないからそれが海賊。それが自由なの。わかる?」
『…はい。ありがとうございます。よろしくお願いします』
「いいわ。サンジくんのココアでも飲みながら待ってて」
『はい!』
さあレディ!こちらに温かいマシュマロココアをご用意してありますよ〜と華麗に案内されチェアにあれよと勧められ、バスタオル姿の私にはいつの間にか用意されていたガウンが被せられVIP待遇に目を白黒させていると、握らせてくれたカップは程よく暖かくて気持ちがホッと落ち着いた。
『かわいい…』
「なまえちゃんこういうの好きなかって思って。お気に召しましまか、レディ?」
『ありがとうございます!〜ふぅふぅ…こくん…甘い…おいしぃ…』
ココアにはカラフルなマシュマロが乗っていて、シュワシュワトロトロに溶けだしたマシュマロとココアの甘さが絶妙で、ポカポカと心が晴れ渡るようだった。
「なまえだけずりい!!!サンジ!俺のは!?」
「野郎共にはキッチンだ!飲んだらすぐ戻って来いよ!!」
「ぃやっほー!」
「あっ、ルフィだけずりぃ!オレも行くー!」
「あっ待てルフィ俺今海楼石持たされてんのに!助けてくれサンジ!!」
しゃあねぇからウソップの分は後でフランキーとブルックの作る時にもっかい淹れてやる。とサンジさんの言葉を聞いて安心したようで、手元の海楼石に集中し直した。
『海楼石は海と同じ力って言ってましたが、具体的にはどういう力なんですか?』
「この石はね【海と同じエネルギーを発する】と言う特性があって、【海が固形化したもの】と例えられているの。つまり、海が弱点な悪魔の実の能力者がこの海楼石に触れると、海(=水中)に落ちた時と同じ状態に陥るって事よ」
『悪魔の実の能力者…それはさっきルフィさんの腕が伸びたり、ロビンさんの腕が生えたりするアレですか?』
「腕だけじゃなくて、色んな特性があるわ。悪魔の実に関しては追々勉強しましょ」
『はい!お願いします!』
「つまり海楼石に触れている間、能力者は悪魔の実の能力を一切使えなくなる。そのため、能力者を捕える際にはこの海楼石製の拘束具が必要不可欠なの。まあ、コレは鎖から切り離された輪っかの部分なんだけど、それでも海楼石を加工できる人は限られていて、石そのものも貴重な物だから早々手に入るものでも無いのよ」
『そんなすごいものがあるですね…』
これで何を試そうとしているのかはわからないが…ナミさんが再び服を選んで持ってきてくれたので、着替えさせてもらった頃にはココアを飲みに行っていたメンバーも帰ってきていた。
さぁ、答え合わせだ
(ネコと人間変化の法則とは)
2024.07.28