-BlueRosePrincess-【凍結】
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――悪魔を垣間見た――
あれから暫くして、優姫が産まれた。
赤ん坊の優姫は本当に可愛くて、枢が産まれた時を思い出した。
優姫の可愛さに、私は勿論の如く愛でまくった。
優姫もすくすくと育ち、原作のように天真爛漫な笑顔を見せるそんなある日…
枢は優姫の前に佇んでいた。
(なまえは僕のなのに、独り占めする優姫)
(僕ですら、そんなに可愛がってもらったことなかったのに…)
(だから言ったんだ。いらないって)
(本当に憎いね、優姫)
「?、おにいさま…?」
「…いっそ、壊してしまおうか」
――バキッ、
優姫が遊んでいたおもちゃが枢の能力によって粉砕し、そのことに驚いた優姫が悲鳴のような泣き声を上げた。
その声に驚いた私は急いで駆け付けたが、その時枢の手は優姫の首にかかっていた。
『っ、!枢、何してるの!?放しなさい』
「ぐっ、けほっげほっ!」
『大丈夫よ、優姫…』
急に流れ込む酸素に噎せる優姫の背中をさすって、抱きしめてやる。
すると、枢は苦しそうに泣きそうな顔をして、、
「なまえの、バカ…」
そう呟いて、部屋を駆け出した。
そんな枢が心配になり、優姫をお母様に預けながら事情を説明して、枢を探しに走った。
だが、屋敷中探しても枢はなかなか見つからず、どうしようかと思案していたとき、ふと、人影が見えた。
そこは私のお気に入りの場所で、お屋敷の外れにあるバラ園の中のテラスだった。
私はここでティータイムをするのが専らの楽しみなのだが。
そのテラスの横にある大きな木の根元に枢は小さく座り込んでいた。
『探したわ、枢。こんな所にいたのね』
「…………」
枢は膝に顔を埋めたまま、返事を返す気がないらしい。
『ねぇ枢、どうしてあんなことしたの?』
「…………」
『何か理由があったのでしょ?じゃないと枢はあんなことしないから…』
それでも枢は返事を返さない。
私は小さく息を吐いて、
『枢は私が嫌いになった?』
ぴくり、枢の肩が揺れた。
『私は、…す、きよ。枢のこと』
真っ赤になっているだろう、自分の顔を隠そうとしたその途端、枢は起き上がり抱き着いてきた。
『わっ!』
驚いて尻餅を着いた私にお構いなしにぎゅうぎゅうと抱きしめる枢。
『か、枢…?』
「初めて、聞いた」
『え?』
「なまえから、好きって、初めて聞いた」
そういえば、恥ずかしくて口にしたことがなかった気がする…
それが枢を不安にさせてた?
不安な枢を余所に、優姫を可愛がるから、拗ねてた…?
あーもう!
なんて可愛いの!!
「なまえ大好き。愛してるよ」
『ん、』
枢からのキスの嵐。
このこ、こんな技どこで身につけてきたんだろう…?
嫉妬
(ねぇなまえ、言葉だけじゃ足りない)
(…?、じゃあどうすれば…)
(血を頂戴?)
(…ダメ)
(…何で?)
(―っ!だっ、ダメ)
今は枢への気持ちが膨れ上がり過ぎて、おかしくなりそうなのよ!!
2011.06.16