-BlueRosePrincess-【凍結】
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――真実を告げる時――
枢の吸血事件の時にばれてしまった私の能力(先読み)
枢がまんまと“妹”について暴露してしまったのだ。
そして、その後の両親の反応。
あれはきっと、前々から薄々感じてはいたが、今回の件で核心に変わった。
とでも言うかのような態度。
これは、しっかり私から話をしなくてはいけない時が来てしまったようだ。
だか、どうしてもなかなか言い出せないでぐずってるうちに月日は流れて、いよいよお腹の中の妹が産まれそうな時期に差し掛かってきた。
なんとしても、産まれる前にはお話しなければ…
そんなことを思い始めてついに今日、両親と枢をリビングに呼び集めた。
それから、私の先読みについての話をした。
両親は終始優しい表情で、でも真剣に聞いていてくれた。
枢は申し訳なさ気に顔を俯けていた。
少しは反省しているようだ。
話を終えた私は、両親の反応に怯え、緊張していた。
が、
「つらい思いさせてごめんなさい。話してくれて有難う」
「本当はなんとなく、そんな気がしていたんだよ。だからそんなに気を落とさないで、なまえ」
『そう、でしたか…』
「それで、なまえはどうしたい?」
『え、?』
急な質問に、ぽかんとするなまえ。
だか、両親はニコニコと笑顔を絶やさず、爆弾を投下した。
「枢との婚約についてよぅ」
『は、?』
「ボクも樹里も賛成してるよ」
「枢が産まれた時から考えてはいたのよ。ずっと」
『え、でも…』
「なまえの未来では、この子なんでしょう?」
『…はい』
お腹を優しく撫でるお母様の目線が、しっかりと私の瞳を捕らえて、
その真っ直ぐとした視線で放たれた言葉。
「“未来”っていうのは、そんなに変えちゃいけないものなの?」
お母様のその言葉にドキリ、とした。
“未来”は原作で、決してかわらない、変えちゃいけないものだと思い込んでいた。
『変えても…いい、の?』
「未来は自分で切り開くものよ」
ああ、
母親って、どうしてこんなに強くて、暖かいのだろうか…
樹里が、貴女が、私のお母様で本当によかった。
『枢との婚約の話…お受けします』
「―っ、姉様!」
今までおとなしく黙っていた枢が堪らず立ち上がって、パアッと顔を明るくした。
『枢…』
「、お姉さ…、ううん。なまえ」
改めまして、婚約者殿。
(なまえ、なまえ、なまえ…)
(どうしたの?)
(噛み締めてるんだよ)
(?)
(幸せだなって)
2011.06.11