-BlueRosePrincess-【凍結】
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『ねぇ枢、そろそろちゃんと寝よう?傍にいるから』
「…うん、」
『枢、優姫のことは大丈夫だから。ね?』
「なまえは優しいね。ボクはなまえのことしか考えてないよ」
『え?』
「添い寝してくれるんだよね?ベッドに行こう」
さっと、何もなかったようになまえを抱き上げてベッドルームに向かう枢。
きっとそんな枢の頭の中は、今後の<駒>の使い方と優姫と零くんのこと。
あとほんのちょっぴり、さっき拓麻が騒いでいたから一翁のこと。
私はきっとまた、お留守番なんだなって。
そんなことを考えながら、枢の腕の中で目を閉じた。
――あの雪の日、
優姫を助けてそのまま知り合いの家に行った。
黒主さんに預ければ安全と判断したから。
優姫はやっぱり一言も話さなくて、差し出したプリンを指でつつく始末。
だがそんな日常も、黒主さんの計らいで変化していき明るい性格を取り戻してきた。
学園に住居が移っても、優姫も零くんも変わらないと思いたかった。
しかし願い叶わず、離れていく心の距離が寂しかった。
だが“なまえ”という存在は依然イレギュラー。
我が儘なんて言えなかった。
唯一の我が儘は、枢の傍にいること。
そして、巻き込んでしまった零くん。
君は私の、ここにいる為の、
またしても残酷なる<駒>でしかなかった…
……
零くんとファーストコンタクトを交わしたのは、ナイフを枢に向けた日。
それから暫くして、学園行きを承諾し枢と仲直り(?)してから私は行動に出た。
枢が頑張って要塞を作り駒を揃えるのなら、私も、我が儘を通すための駒を用意する。
本当に、つくづく人のすることではないと思う。
私は、もう、一人の吸血鬼なのだ。
それも、高貴な純血の。
枢はそんなこともお見通しだろうが、私は自分のことでいっぱいいっぱいだった。
『零くん、こんにちは』
「それ以上近付いたら殺す」
『うん。じゃあ、ここからお話するね』
そうやって、時間を見つけては抜け出し、頻繁に零くんのもとに訪れた。
優姫を守れる、楯になれるように。
優姫を離さない、鎖になれるように。
将来的に<駒>として機能してもらえるように。
自分勝手なエゴを押し付けて、私は我が儘を選んだ。
ごめんなさい。残酷なことをしている自覚はあるの。
でもね、もう、ここでの私の生きる意味は、命は、枢しかいないのよ。
悪魔にもなってみせる
(罰なら全てが終わった時に)
(痛みは常にこの胸に)
(でもね、今でもとても不安なの)
2013.09.04