-BlueRosePrincess-【凍結】
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――さあ、運命の幕開け――
枢と薬指に誓いを立てたあと、直ぐに立ち上がり優姫と母様のいるであろう部屋に向かった。
今頃優姫の吸血鬼因子を眠らせる術式を行っているのだろう。
私は、どうしても母様の命を守りたくて、だから…
手伝う事で力が半分に分散されて、命を落とさなくて済むなら、、
それができるのは、私だけなのだ。
だが、母様はそんな事もわかっていたのか、少ししか教えてくれなかったので、私の力はほぼ未完成のままだった。
勢いよく扉わ開けると、そこには既に眠っている優姫と倒れる母様。
『―っ、母様!(遅かったか!)』
「なまえ…そこにいるの?こ、ちらへ…いらっしゃい…」
『―…はい。なまえはここにおります、お母様』
母様は私を呼び寄せると、そのまま残り少ない力で私を抱きしめた。
「ごめん…なさい。貴女たちには辛い思いをさせてしまって…優姫は…」
『もう、いいです。母様、私全て…』
「そう…だったわね…なまえちゃんは何でも…。なまえ、誰も恨んじゃダメよ…勿論、自分もよ…絶対…。あい、してるわ‥なまえ、私達の、大切な‥娘…」
『―っ、!かあ…さ、ま…?母様!?』
私の腕から崩れ落ちる母様。
どんどん冷たくなって、皮膚が割れる音に次いでサラサラと砂になっていった。
母様を守りたかったのに、私は何も出来なかった。
母様はこのことを見越しておられたのね…
先読みをする私なんかよりもずっとずっと先のことを見つめていた母様。
だから私に“自分を恨むな”って…
本当、ずるい人。
母様、母様…
『―っ、ふ…かあ、さま…私も、愛しておりました』
私はそのまま意識を手放してしまった。
母様が最後の力で、私が枢達の所へ行かないようにせめても、と術式で眠らせたのだろう。
私が次に目を覚ました時は、ベッドの上だった。
ベッドの脇には枢が顔を伏せて寝ていた。
(枢…無事でよかった)
すると、枢はふっと顔を上げて、
「なまえ!!なまえ、なまえ…!よかった。目を覚まさないかと思ったよ。よかった、なまえ…」
何度も存在を確認するように抱きしめたり、頬に触れたり、手や首筋まで確認された。
『枢、私は大丈夫よ。枢は?』
「うん。なんともないよ。ただ…」
『父様と母様は、同じ所に逝かれたのね…』
疑問文のようだが、肯定文のように話すなまえに一瞬目を見開いた枢は、何か納得したように「うん…」と呟いて目を伏せた。
『枢…優姫は?』
「―っ、」
『探しに行きましょう。ね?』
「……うん」
まだ少しふらつく身体に葛を入れて、枢と二人で雪の中を歩いた。
優姫は直ぐに見つかった。
吸血鬼に原作通りのタイミングで襲われそうになっていた所を。
走り出しそうになった私を止めて、枢は吸血鬼を切り裂き、粛清した。
初めまして、愛しい君
(だ…れ…?)
(僕は、枢)
(私はなまえよ)
赤ん坊の僕をここまで育ててくれた遥と樹里の娘で、
僕の愛しいなまえの、大切にする子。
〈優姫〉君は僕が守るよ。
勿論、なまえの為に…ね。
2011.07.10