-BlueRosePrincess-【凍結】
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――輪廻転生――
私には生まれた時から、前世の記憶があった。
だが、両親の顔が漫画<ヴァンパイア騎士>に出てくる枢の両親にそっくりだなぁと思っていたくらいで、確信に変わったのは"玖蘭様"という言葉を聞いてからだった。
原作はとりあえず10巻まで読んでいたので、流れはなんとなくわかる。
肝心の枢がいないことから考えて、私は長女で、まだ原作の流れに乗っていないことまでは推測できた。
┅┅
それから暫くして枢が産まれた。
ヴァンパイアの成長は早くて、更に純血種の治癒能力の高さなどにも驚いた。
不思議なことに、私はキバが生えても吸血衝動は起こらず、未だに血を口に含んだことはない。
噛み方もわからないし、できればわかりたくない。
なんて、人間だった前世の記憶がセーブをかける。
私はそれでもいいと思った。
ただ、この世界に生まれた意味…役割がなんなのかは気になるところだが、今はわからない。
私は原作を捩曲げるつもりはないし、いくら枢が好きでも、優姫のことを大切にしない枢は一読者として想像ができない。
勿論、零や他の子との恋愛もするつもりはない。
やはり原作通り流れてほしい。
でも、現実は甘くなかった。
私がここに存在する時点でイレギュラーだったのだと気付いたのは、枢に物心がついた頃だった。
どんなに冷たく突き放しても、姉を慕う瞳が消せなくて…
もう遅すぎたのかもしれない。
私の役目。
(私は何をすればいい?)
「ねぇさま、だいすき」
『………』
2010.07.17
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