〜春を呼ぶ妖精たちの祝祭〜【完結】
夢小説設定
この章の夢小説設定ヒロイン≠ユウ
転生トリップ女性
男装している
オンボロ寮生
恋人未満
レオナのお世話係
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---フェアリーガラ前日
「オ〜イ!」
「お、ユウくんにグリムくん」
「フェアリーガラは明日だし、様子を見に来てやったゾ。…で、3人はどんな感じだ?」
「…まあ、見てればわかるッスよ」
苦い顔のラギーを不安に思いながら、ボールルームで練習する3人に視線を向けた。
「ストップ、ストップ、ストーップ!!!3人とも、全然ダメ。このままじゃ無理ね。レオナ、アンタはショーのメインなのよ?フリでもいいから、もう少しやる気を出しなさい」
「はっ。そっちが勝手に決めたことだろう。出演してやるんだから、感謝してほしいくらいだぜ」
『レオナさん落ち着いてください、ちょっと休憩しましょう』
想像以上のグダグダ具合である。
「なあ、ヴィル!オレとジャミルのダンスはどうだった?すげーかっこよかっただろ?」
「いいえ、まったく」
「「ええっ!?」」
「ちっとも洗練されてい。まるで泥つきのゴボウ。経験者2人のダンスで、棒立ちレオナを引き立てる予定だったけど…このままじゃ無理ね」
「そ、そんなに酷いか?」
「自覚ないの?カリム、アンター度も間違えずに最後まで踊れてないじゃない」
「うぐっ!」
「本番は明日なんだぞ、カリム。もっと集中したらどうだ?」
「ジャミルも人のことをとやかく言える立場?正直、今は3人の中でアンタが一番酷いわ」
バッサリである。
「なっ!?俺ですか?」
「そうよ。もしかして、自分は問題ないなんて思ってた?」
「…はい。ダンスは昔からやっていましたし、今回の振り付けも完璧に覚えました」
「それだけじゃダメ。なまえ、アンタはジャミルのダンスをずっと見ていて、どう思った?」
『…正直、1人で踊っているみたいだなって、思ってました』
「そう。ジャミルのダンスには観客を引き込むものがない。アンタに足りないものがなにか、わかる?」
「………」
なまえの正直な言葉、ヴィルの的確な指摘にジャミルは衝撃を受けていた。
「ジャミルくん、今からダンスを仕上げるのは厳しくないッスか?ダンスがダメなら、宝石をすり替える役を手伝うってのはどう?」
「…いや、ダンスの担当を外れる気はない。(とはいえ、観客を引き込む…?完璧に踊るだけではダメなのか)ヴィル先輩、少し時間をくれませんか?自分の力で答えを見つけたいんです」
「いいわよ。その代わり、明日までにはどうにかしなさい」
「わかりました」
思い詰めたように、決意を固く俯き思案するジャミルを見て、眉間にシワを寄せたレオナは、カリムの様子を見た。
「アイツ、意地になってねえか?」
「ジャミルは昔から、ダンスが大好きだからな。絶対に諦めないと思うぜ」
『でも、期限は明日…流石のジャミルさんでも…』
「大丈夫だ。ジャミルを信じろ」
不安いっぱいの前日レッスン
(この時間なら中庭に人もいないだろうし、身体を動かしながら考えてみるか。よし、行ってみよう)
(サー....バー…ダー…!)
(ん?この声…誰かいるのか…?)
2020/06/23